2021 Fiscal Year Research-status Report
出産後1年間の睡眠覚醒リズムと夫婦のメンタルヘルスに関する縦断研究
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17K12283
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
安積 陽子 三重大学, 医学系研究科, 教授 (40336847)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 睡眠 / 妊婦 |
Outline of Annual Research Achievements |
妊婦を対象に、睡眠、精神健康状態、マイナートラブルおよび睡眠衛生行動の関連を明らかにするための、質問紙調査結果の分析を行った。有効回答者167名の結果を分析した。Pittsburgh Sleep Quality Index日本語版(PSQI-J) による睡眠障害ありの判定者は52.1% 、Epworth Sleepiness Scale日本語版(JESS ) による日中の過度な眠気ありと判定された妊婦は39.5%であった。睡眠障害あり群はなし群に比して、Hospital Anxiety and Depression Scale(HAD)尺度で測定した不安と抑圧得点が有意に高いことがわかった。さらに、睡眠障害あり群ではなし群に比してマイナートラブルの苦痛得点が有意に高いことがわかった。 睡眠衛生の得点を因子分析した結果、「ポジティブ思考の心がけ」、「一日のリズムをつける」、「就寝前に物理的刺激を受けないようにする」「目への刺激を避ける」の4因子に分類された。その中で、PSQI-Jの得点と「一日のリズムをつける」の得点には負の標準化偏回帰係数が有意であった。その他に、妊娠期別のPSQI-J得点と睡眠衛生行動の関連や妊娠前と妊娠中の睡眠衛生行動の分析も進めた。就寝前の携帯電話の利用を控える行動は、実施頻度が低く、かつ妊娠前と妊娠中で行動得点に変化がない行動であった。 妊娠期に睡眠障害ありと判定される割合は5割を超えており、良好な睡眠を維持するためのセルフケアへの支援の重要性、特に「一日のリズムをつける」ことを中心に妊婦に関わる必要性が確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19対策のもとで、病産院から研究協力を得ることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
妊娠期の夫婦の睡眠の変化は、アクチグラフではなく、Pittsburgh Sleep Quality Index日本語版(PSQI-J) を用いて調査する。横断的研究で得られた結果について検証するために、縦断調査を実施する。
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Causes of Carryover |
昨年度は、COVID-19の影響を受けて、調査を実施することが難しく、次年度使用額が発生した。今年度は、妊娠期の夫婦の睡眠の変化は、アクチグラフではなく、Pittsburgh Sleep Quality Index日本語版(PSQI-J) を用いて調査する。横断的研究で得られた結果について検証するために、縦断調査を実施する。COVID-19の影響を考慮して、調査協力が得やすいように、クラウド型のアンケート作成ツールの利用を検討している。各対象者に最低でも2回の調査依頼が必要となるので、その経費として次年度使用額は執行したいと考えている。
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