2017 Fiscal Year Research-status Report
出産体験の振り返りアセスメントツールを用いた看護介入モデル考案のための基礎的研究
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17K12285
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
國清 恭子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (90334101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 洋子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10269334)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 出産体験 / アセスメントツール / 介入モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、出産体験の振り返りアセスメントツールの実用性の検討のために実施予定の母親および助産師に対する質問紙調査で用いる質問紙作成に向けて、事前調査を行った。生児を出産した産褥入院中の母親(分娩様式、分娩時週数は問わず)11名に対して実際に出産体験の振り返りアセスメントツール原案に回答してもらい、その後「話したい」と回答した項目を中心に一連の出産体験について語っていただくとともに、回答を通して自身の出産体験の全体像を想起することはできたか、さらに聴き手を前に出産体験を語ることの本人にとっての意味について聴取した。その結果、ほとんどの対象者から、アセスメントツールに回答することで出産体験を思い出すきっかけになり、一連の経過を思い出しやすいとの感想やアセスメントツールへの回答を踏まえて話を聞いてもらうことは必要であり、意味があるとの感想が出された。現在はこれらの結果を整理、統合し、母親に実施するツールを使用した感想・評価についての質問紙の構成として、選択式で問うことができる内容と自由記述で問うことが望ましい内容について検討している。さらに、面接調査の際のインタビューガイドの項目案としての活用も検討している。一方、助産師対象の調査については、研究者がツールを用いながら出産体験の語りを傾聴する際に感じたツール活用の利点やコツ、注意が必要な点などについて、逐語録で振り返りながら洗い出しており、こちらも質問紙の質問項目や面接調査におけるインタビューガイド案につながる内容として検討をしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究は、研究者が取り組んでいる出産体験の振り返りアセスメントツールの開発の研究を基盤として発展的に行う継続研究であるが、多様な経過の出産を包括的に扱うことができるツールの開発を目指したため、例えば経腟分娩の経過途中で緊急帝王切開に切り替わったケースなど正常分娩など他と比べて頻度が多くはないケースの確保に時間を要したことや、120を超えるアセスメント項目の分析に際し科学的合理性を保証するための多量のサンプル数の確保が必要であったことなどから、研究調査実施に時間を要し、後続の研究に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
出産体験の振り返りアセスメントツールの実用性の検討のための量的調査実施に向け、今年度の調査結果の分析を進め、アセスメントツールを使用した感想・評価についての自由記述を含めた質問紙の作成を進める。また、産褥期の母親の心理状態や心理的健康の測定に適した尺度について研究分担者および所属大学の助産学研究者、院生とのディスカッションを重ね絞り込んでいき、準備を進めていく。 また、研究分担者との連携を密に行い、研究実施計画の調整を随時行って進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
(理由) 予定していた量的調査の準備段階にあたる少人数の面接調査を実施し、その分析途中であるため、大規模な量的調査および面接調査にまで至らなかった。そのため、質問紙印刷等の費用、調査にかかる旅費、データ入力作業や逐語録作成等を依頼するための謝金等の予算が執行できず、研究費の未使用が生じた。 (使用計画) 予定している質問紙調査・面接調査に関連して、印刷費や通信費、記録メディア、データ収集後の逐語録作成、資料整理やデータ入力を依頼する研究補助者への謝金、消耗品の補充等へ充てる予定である。また、研究テーマに関連した学会への参加や成果発表、研究依頼および打合せ会議等の旅費として使用を予定している。
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