2020 Fiscal Year Research-status Report
出産体験の振り返りアセスメントツールを用いた看護介入モデル考案のための基礎的研究
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17K12285
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
國清 恭子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (90334101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
常盤 洋子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10269334)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 出産体験の振り返り / アセスメントツール / 介入モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、遅れを生じていた本研究の基盤研究である出産体験の振り返りアセスメントツールを開発しその信頼性と妥当性の検証を主に行った。 2019年度までに実施していた調査(15施設にて、経腟分娩または帝王切開分娩にて生児を出産した産褥入院中の褥婦を対象に出産体験の振り返りアセスメントツール試作版を用いた質問紙調査)で回収した1、615部のうち、分娩週数が22週以降で試作版の全項目に回答している有効回答1、351部(有効回答率54.1%)を用いて、主成分分析と質的精選によりアセスメントツールを構成する項目を抽出した。最終的にアセスメントツールとしての構成を解釈しやすい成分行列を形成した28項目を選定し、第1主成分20項目、第2主成分8項目からなる2つの主成分が抽出された。各主成分に含まれる項目を内容の類似性に従って分類し、アセスメントツールとして再構成した結果、肯定的な出産体験を中心とした内容である5つの視点と、否定的な出産体験の内容である4つの視点、合わせて9つのアセスメント視点が見出された。以上の過程を経て、28項目からなる「出産体験の振り返りアセスメントツール」を作成した。28項目のCronbachのα係数は0.914であり、ツール全体の内的整合性を確認した。また、9つの視点は、出産体験に関する既存尺度と共通の概念を包含しており、妥当性も確認された。 「出産体験の振り返りアセスメントツール」の有用性から、これを活用した出産体験の振り返りの支援により、看護者の振り返りの支援における困難感を軽減し、言語化された経験知を共有して支援の実践力を向上させる教育プログラム検討において活用できるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の基盤研究である出産体験の振り返りアセスメントツールの開発はできたものの、コロナ禍の影響を受け臨床での調査研究の制限や本務の多忙があり、調査研究を進めることが困難であったため、研究に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
出産体験の振り返りアセスメントツールの実用性の検討のため、出産体験の振り返りアセスメントツールを実際に使用して振り返りの支援を実施した助産師を対象にした質問紙調査および可能であればインタビュー調査を併用した調査を実施する。アセスメントツールを使用した感想・評価についての自由記述を含めた質問紙への回答を求めるとともに、感染対策をした上で許可が下りれば何人かに具体的にアセスメントツールを使用した振り返りについて聴取し、看護介入モデルの試案を検討する。 また、研究分担者との連携を密に行い、研究実施計画の調整を随時行って進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
理由)コロナ禍の影響を受け、臨床における調査研究が実施できなかったため、予算の未使用が発生した。 使用計画)臨床における調査実施が可能であれば、調査のための質問紙印刷やデータ入力依頼等で執行する。その他、記録メディアや分析ソフト等の消耗品の補充、専門的知識の提供に対する謝金等へ充てる予定である。また、研究テーマに関連した学会への参加や成果発表、研究依頼および打ち合わせ会議等の旅費として使用を予定している。
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Research Products
(1 results)