2019 Fiscal Year Research-status Report
不育症女性のくり返す喪失による悲嘆からの回復を促す看護介入プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
17K12286
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
二川 香里 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (70377258)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 不育症 / 喪失 / 悲嘆 / 回復 / 看護介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、不育症女性のくり返す喪失による悲嘆とその回復に焦点をあて、悲嘆からの回復を促すための看護介入プログラムの開発と検証を目的としている。この目標を達成するために、日本語版周産期悲嘆尺度の開発、尺度使用による不育症女性の悲嘆状況の実態調査、不育症女性のくり返す喪失の受け止めと悲嘆過程、不育症女性のケアニーズなどを明らかにすることを計画している。これらのことから、不育症女性の悲嘆について客観的な指標を得ることができ、不育症女性の悲嘆過程およびその悲嘆からの回復過程に関する新たな知見を得、支援に貢献することができると考える。 令和元年度は、日本語版周産期悲嘆尺度の作成を計画し、研究者所属機関および調査実施機関における倫理審査委員会の受審準備を進めた。尺度作成には妥当性の検証も必須であるが、その方法と使用する他尺度についても検討した。また並行して、周産期喪失における悲嘆に関する国内外の文献を収集し概念枠組みの検討を行った。文献検討を進める中で、周産期における喪失の受け止めや悲嘆からの回復過程においては、本邦と諸外国では類似点もあるが相違点もあることが推察され、文化的背景を鑑みた、尺度内容の検討が課題として明らかとなった。また、研究目的に沿った今後の調査内容やフィールドの選定などの検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は日本語版周産期悲嘆尺度の完成を計画していたが、対象者の特性により、質問項目および対象者の選定には注意深い配慮が必要であり、文化的背景も合わせて考慮した尺度原案の作成と倫理審査委員会の受審準備に時間を要したため、研究の進捗に影響している。また、研究者所属機関において人員の異動があったにも関わらず、一定数の教員が確保されず、本務が過密となった。研究に対するエフォートを確保することが大いに困難であったことが要因である。加えて、年度後半の新型コロナ感染症の拡大が研究の進捗に影響を与えたことも遅延の理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、日本語版周産期悲嘆尺度の開発を継続して進める。研究者所属機関および調査実施機関における倫理審査委員会を受審し、承認を得た後、日本語版周産期悲嘆尺度を完成させる。完成版を用いて、不育症女性の悲嘆状況の実態調査を実施し、看護介入プログラム検討の基礎資料としたい。
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Causes of Carryover |
令和元年度は、研究の進捗が遅れたため予定していた支出より少なかった。令和2年度は、データ収集を実施し、謝礼の支出を予定している。また、研究成果の発表および情報取集のための旅費、研究遂行のための図書、消耗品購入費に支出予定がある。研究分担者を追加する予定もある。
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