2019 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of support for hemophilia carrier in genetic risk communication system
Project/Area Number |
17K12290
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
藤井 宝恵 日本福祉大学, 看護実践研究センター, 客員研究所員 (50325164)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血友病 / 保因者 / 遺伝学的リスク / 遺伝カウンセリング / リスクコミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
[方法]調査結果より血友病保因者(Hemophilia carrier; HC)に関する現状の課題を抽出し、研究協力者(血友病/遺伝医療等の専門家)と共に課題解決並びにHC支援案についての意見交換を行った。[結果] 主な課題は(1)HCの抱えるリスクの理解、(2)遺伝カウンセリング(genetic counseling; GC)だった。課題に関する意見は、次の通りだった。母親を対象にした調査結果は、他の遺伝性疾患の親と異なる傾向を示した。母親らのHCのリスク認知が推測された。HCに関する悩みを抱える者は、まず患者の主治医に相談をするだろう。GCの利用において遺伝子診療部が同一施設内にない場合は、他院紹介となる。その場合は、当事者の心理的・経済的な負担が予測される。医療者であってもGCの特異性を正しく理解できているとは言い難い。そうした医療者の理解不足のために、GCを必要とする者が活用できていない現実があるかもしれない。患者や家族への情報提供は、インターネットを使った電子媒体が望ましい。[考察]課題を踏まえ、HC支援のための対策案を挙げた。HCのリスクを理解する医療者を増やすための策として、(1)調査結果の公表と啓蒙啓発活動を行う。(2)HCに対して前向きな遺伝子診療部門にGCを依頼し、経験を重ねてもらう。血友病専門医と臨床遺伝専門医によるシンポジウムを開催し、互いの専門についての理解を促す。HCの過多月経や出産計画についての相談先として、利用可能な産科医の情報を提供する。(3)看護師がHCの悩みに気付けるよう、血友病看護の手引書を作成する。HCの周囲の者がHCを支援できるための策として、(4)ピアがHCの相談に応じられるよう、ピア・サポーターを育成する。(5)HCが安全に出産するための行動を行えるように、インターネットを活用したHCの出血リスクに関する情報提供を行う。
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Research Products
(2 results)