2019 Fiscal Year Research-status Report
妊娠~授乳期女性の専門医受診行動を高める、産科看護師教育プログラムの開発
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17K12291
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
石上 悦子 香川大学, 医学部, 准教授 (00624983)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 睦子 香川大学, 医学部, 教授 (90403782)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 妊娠関連乳がん / 若年乳がん / 受診遅延 / 看護 / 助産師 |
Outline of Annual Research Achievements |
私の研究目的は,がんの早期発見が遅れがちな若年乳がんの一種である「妊娠関連乳がん(pregnancy associated breast cancer以下PABCと略す)」の特徴である専門医受診遅延行動を回避し,早期受診・早期発見ができるように,産科看護師・助産師を活用することである.私が研究で明らかにしようとしたことは,①妊娠期から授乳期直後までの女性が,PABCを疑い専門医受診に至る経緯を,女性側と医療従事者側の両面から明確にする②受診に至るまでの女性の心の動きと,受診に至る動機について明確にする③PABCの早期発見のために,事前に妊娠期~授乳期女性に提供すべき情報を明確にする,である.方法は聞き取り調査と先行研究や文献からの学びである. 2019年度具体的に実施したことは①聞き取り調査,②聞き取り調査内容の分析,③助産師への啓発,④学会発表の4点である.詳細を以下に述べる. ①PABC患者のプライマリー助産師へ聞き取り調査を実施した.PABC患者が香川大学附属病院外来の初心時から退院までの状況と,PABC患者に対する思いを聞き取り調査した.②2017-2018年度に乳腺専門外科看護師,助産師,PABC患者から聞き取れた内容を逐語録に起こし,分析した.③研究の成果を2019/10/20香川県助産師会研修会「母乳育児支援と授乳期の乳がん」で,タイトル「助産師と乳がん」として研究成果を報告し,助産師への啓発を行った. ④2020/3/8「日本看護研究学会中国・四国地方海 第32回学術集会」にてタイトル「外科病棟看護師の若年乳がん患者に対する意識の分析」を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年-2018年度は, 以下の内容を実施した. ①聞き取り調査として,医療従事者とPABC患者データの聞き取り調査を行った.医療従事者の聞き取り調査は13名,体験者からの聞き取りは2名を実施した.②研究課程で行った文献の検討について,題名「わが国における妊娠関連乳がん(PABC)看護の動向に関する)文献検討」を投稿し,採択された.香川大学看護学雑誌,23(1),71-78,2019.③文献の検討過程での考察を「日本看護研究学会中国・四国地方海 第32回学術集会で「妊娠関連乳がんに焦点をあてた文献研究」として,ポスター発表を行った. 2017-2019年の3年間で研究目標は概ね達成しつつあるが,以下の二点の実施が遅れている. ①PABC患者不在のため,聞き取り調査が2名から進んでいない.2019年度も研究フィールドである香川医大付属病院にPABC患者が不在であった.香川県内の乳がん認定看護師・がん専門看護師数名に協力を求めたが,聞き取り調査に適当なPABC患者を見つけることはできなかった.(現在妊娠中のため研究対象として難しい1名,PABCでの方針決定を今も後悔し動揺が激しいため,聞き取り調査対象に不適,1名).②香川県助産師会研修会講師として実施した助産師への啓発は概ね好評であった.1度の研修だけではなく,紙媒体を作成し,助産師への啓発を行いたいと考えている. コロナ感染のために,2020年1月頃から病院内への立ち入りが難しくなり,診療録の閲覧や患者情報の収集,看護師への聞き取り等が難しい状況で,看護部への協力を求めるのも難しく,研究が止まっている.
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Strategy for Future Research Activity |
①PABC患者への聞き取り調査を進めるため,引き続き,患者情報を集める予定である.②研究経過の報告と,助産師への乳がん早期発見の啓発のために,助産師への乳がん教育の機会を得ることと,冊子を作成することである.
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Causes of Carryover |
PABC患者の聞き取り調査のため,旅行費と謝礼が必要である.また研究成果として,PABC患者の早期発見方法を助産師に啓発するため,媒体を作成する費用が必要である.さらに,研究成果の報告として,学会費,雑誌投稿費が必要である.さらに資料や文献・雑誌,文房具等の日超が必要である.
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Research Products
(3 results)