2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of best practices to promote social adjustment for children with Prader-Willi syndrome
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17K12295
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 規子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (90315268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中込 さと子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (10254484)
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (00209933)
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (70404209)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Prader-Willi 症候群 / 生きづらさ / ルール化 / スケジュール化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本調査は、就学期のプラダー・ウィリー症候群(以下,PWS)のある児が社会的適応を促進する為のベストプラクティスの開発を目的とする。 平成29年度はPWSのある児の実態調査を保護者対象に実施した。PWS児は早期診断により幼少期から特性を考慮した管理や治療が行われていたが、周囲の理解は困難であることが明らかとなった。 平成30年度は支援を検討する上で、PWS本人のニーズを把握する必要があると考え、成人期にあるPWS者本人とその保護者13組にインタビュー調査を実施した。 令和元年度は、インタビューのPWS本人の言葉だけでは精神状態が反映されにくいため、「自尊感情」や「自己効力感」尺度を用いた評価を追加した。分析は、PWSの特性に関連する生きづらさに焦点を当てて行った。PWSの特性に関連する生きづらさには、1)PWSの生理的特性からくる<独特の食物に対する欲求>を満たすために起こる問題行動、2)食べ物を入手する知恵が、他人を操作する、狡猾な人と周囲からの存在否定へとつながる、3)食べてはいけないことを学習するが、食べた結果を取り繕う行動や発言を周囲から嘘と誤解され、「信頼」を得られない、4)自分の思いを表現できず、真意が伝えられないために人間関係を築きにくい、5)成人期は長期記憶が残っており、過去の辛い出来事を思い出して精神的不安定になるが、過去の体験の再解釈が難しい、があった。13名の全てが生きづらさから危機を起こした経験をもっていたが、親の多くが「今が一番落ち着いている」と語った。PWS者の落ち着いた生活は、PWSの特性から起こる問題行動の理由とその解決策を探る中で導かれ、ルール化とスケジュール化された日常生活管理、信頼できる人の存在、認められる体験によって支えられていた。今後は、PWS者が主体性を実感できる取り組みにより成長を支えていくことを検討していく。
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[Presentation] 遺伝看護セミナー「がんと遺伝をめぐる診療と看護」2017年度、2018年度の実施から見た今後の課題2019
Author(s)
村上裕美, 佐藤智佳, 武田祐子, 青木美紀子, 小笹由香, 大川恵, 鴨川七重, 御手洗幸子, 佐々木規子, 山下浩美, 浦野真理, 西垣昌和, 矢内洋次, 玉置知子, 中込さと子
Organizer
第43回日本遺伝カウンセリング学会
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