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2018 Fiscal Year Research-status Report

児童養護施設思春期女子へのリプロダクティブ・ヘルスケアモデルの構築と汎用化

Research Project

Project/Area Number 17K12296
Research InstitutionIwate Prefectural University

Principal Investigator

福島 裕子  岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40228896)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords児童養護施設 / リプロダクティブ・ヘルス / 経験世界 / ケア
Outline of Annual Research Achievements

個別長期介入と追跡調査による検証
研究者が開発したケアモデルによる個別ケアを実施した思春期女子のうち、3名にさらに継続して長期の個別ケア介入を実施した。2年の長期介入による効果検証を、面接データの質的分析によって行った。ケアモデルの効果を検証する目的で、平成29年度に長期の個別ケア介入を実施し終えた女子3名の面接データについて現象学的アプローチを用いた質的分析を行った。
彼女たちに性教育や性指導でかかわる支援者(看護者)である研究者の存在は、彼女たちの女性としての身体の経験のされ方や女性として生きる世界に影響を与え、またケア実践者である研究者自身の経験も、彼女たちの経験世界と影響し合いながら、ケア実践が展開されていた。ハンドマッサージなどによる身体の一部の触れ合いは、接触している面こそ小さな面積であったが、互いが身体を触る、触られるという感覚を同時性、同質性として双方の生きられた世界に変化や影響をもたらすケア行為であることが解釈された。また、ケアの受け手である女子とケア実践者(研究者)双方に、“受け取り”“受け取られる”という経験をもたらす場面があった。ケアという出来事が人間同士の深い次元での関りの現象だと理解でき、双方の経験世界を丁寧に見ていくことで、事前に開発された「ケアモデル」の枠だけではとらえきれないリプロダクティブ・ヘルスケアの意味を明らかにできると推測される。今後はさらにその部分を丁寧に解釈し、明らかにしていく。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

ケアモデルの評価として、当初は思春期女子の経験世界だけに着目していた。しかし解釈を進めるうちに、ケア実践者自身の経験世界とも深く関与していることも明らかになり、ケア実践の事象が、人間同士の深い次元での関りの現象であることがわかってきた。そのため、再度ケア実践時の場面のローデータに立ち戻り、解釈・分析をし直したため、当初予定よりも遅れが生じている。また、ケア提供者自身の経験世界を分析する、ということで、新たな分析手法の検討も必要となり、現象学心理学の専門家のスーパーバイズを受ける必要があったことも遅れの理由である。。

Strategy for Future Research Activity

2年にわたる5人の女子を対象とした個別介入場面のデータがら、女子自身の言動からの効果検証だけではなく、ケア場面における、ケアの受け手とケア提供者の双方の生きられた経験世界を生き生きと描いていく。その中で、リプロダクティブ・ヘルスケアの意味を明らかにし、児童養護施設女子を対象としたリプロダクティブ・ヘルスケアがどうあるべきなのか、汎用化できるものを検討する。

Causes of Carryover

現象学心理学の専門家からスーパーバイズを受けるための旅費として見積もっていたものが、予定よりも低い金額で終えることができたためである。次年度は、再度指導を受ける場合の旅費に使用する。

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Published: 2019-12-27  

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