2018 Fiscal Year Research-status Report
行政が担う不妊専門相談センターを活用した不妊支援システムの構築
Project/Area Number |
17K12311
|
Research Institution | Fukuoka Prefectural University |
Principal Investigator |
石村 美由紀 福岡県立大学, 看護学部, 准教授 (40364179)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 不妊専門相談センター / 不妊相談 / 行政 / 不妊支援 / 看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、行政の支援である不妊専門相談センターの活用を視野に入れた不妊支援システムを構築することである。 本研究の目的を達成するために、研究初年度から2018年度にかけて、【基礎的研究】として、不妊支援を提供する側(不妊専門相談センター、医療、不妊自助グルー プ)の現状、連携の実際、および課題を明らかにすることとした。 1.文献レビュー:不妊専門相談センターの成り立ちと現状、厚生労働省の報告書から見えた事業の課題、不妊専門相談センターの研究動向を整理分析した。不妊専門相談センターの論文報告はセンター利用者を対象としたものがほとんどである。全国の不妊専門相談センターを対象とした文献からは、不妊専門相談センター事業の内容の基準が曖昧であるために、不妊専門相談センターによって事業内容が異なり、センター間に差があることが指摘されている。 2.行政が担う不妊支援事業のうち、特定不妊治療支援事業に携わる看護職者の実践と課題をインタビューにより明らかにした。行政が担う不妊支援は大きく不妊専門相談センター事業と特定不妊治療支援事業があるが、今回は基礎調査として特定不妊治療支援事業に携わる看護職者のインタビューを行った。その結果、申請の対応で見える不妊当事者の苦悩、個別対応の配慮、申請の際に心理状況に気づきながらも寄り添うことへの限界、医学的・専門的な相談に対処できない葛藤などが明らかになった。 これをもとにインタビューガイド作成、および所属機関における倫理審査申請に向けて準備を続けている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度は、基礎的研究として、不妊支援を提供する側(不妊専門相談センター、医療、不妊自助グループ)の現状、連携の実際、および課題を明らかにすることを目的としていたが、情報収集、計画立案に時間を要した。そのため2019年度は、速やかに実施し、研究の遅れを取り戻す予定にしている。不妊専門相談センターおよび医療機関にて不妊支援に携わる医療者への調査を早急に進めるべく準備は整っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
2019年度:不妊専門相談センターおよび医療機関において不妊支援に携わる看護職者の体験より、不妊専門相談センターと医療機関との連携の現状と課題を明らかにする。不妊専門相談センターにおいて不妊支援に3年以上携わる看護職者10名および、医療機関において不妊支援に3年以上携わる看護職者10名の合計20名を対象とした半構造化面接による質的記述的研究を実施する。 また不妊当事者のおしゃべり会を開催し、フォーカスグループインタビューにより不妊当事者が求める支援および行政が担う不妊専門相談センターの活用を明らかにする予定である。
|
Causes of Carryover |
【次年度使用額が生じた理由】2017、2018年度は不妊支援情報の収集と整理に時間を要し、無記名自記式質問紙調査および面接調査実施に至らなかった。そのため無記名自記 式質問紙調査および面接調査に必要な研究協力者への謝金、郵送代、交通費、テープ起こし代などを使用せず、次年度の使用となった。 【次年度使用額の使用計画】2019年度は、早急に不妊支援を提供する側(不妊専門相談セン ター、医療、不妊自助グループ)対象に面接調査を実施し、課題を明確にする。さらに不妊当事者のフォーカスグループインタビューを実施し、行政が担う不妊専門相談センターの活用の課題を明らかにする。さらにそれを踏まえて無記名自記式質問紙調査を行う。そのため2019年度は、無記名自記 式質問紙調査および面接調査に必要な研究協力者への謝金、郵送代、交通費、テープ起こし代などを使用予定である。
|