2019 Fiscal Year Research-status Report
急性期を脱した脳卒中患者の家族が抱く不確かさへの介入戦略
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17K12315
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Research Institution | Komazawa Women's University |
Principal Investigator |
飯塚 麻紀 駒沢女子大学, 看護学部, 准教授 (10319155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 陽子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (90637414)
横田 益美 駒沢女子大学, 看護学部, 助教 (70827047)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳卒中 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、急性期を脱した脳卒中患者の家族を対象とし、不確かさを緩和する看護師の関わりを検証した後に、有識者を交え、急性期を脱した脳卒中患者の家族への介入プロトコールを作成することである。 第1弾の調査では、「家族の不確かさを緩和する看護師の関わり方を抽出する」ことを目的に、家族へのインタビュー調査を行った。しかし、対象者数が6名とやや少なかったことから、この結果のみから「家族の不確かさを緩和する看護師関わり」を断定し、質問紙を作成するのは不適切と判断した。 そのため、本年度は、「家族の不確かさを緩和する看護師の関わり」の質問紙をより信頼性・妥当性のあるものとするために、本調査の結果に加え、既存の文献を用い、「急性に病棟に入院中の脳卒中患者の家族が看護師に期待することは何か」という視点で、質的帰納的分析を行う調査を追加して実施した。なお、不確かさの緩和には医療者への信頼が要因となることについては、本研究で用いる「病気に関する不確かさ理論」の概念枠組みの中で記されている。本調査では、文献検討より、看護師への信頼は、家族が期待することを実践してくれるかどうかということをもって測定しうることを前提としている。 結果、「急性期を脱した脳卒中患者の家族の不確かさを緩和する看護師の関わり」には、20のサブカテゴリーからなる、3つのカテゴリー【後遺症のある患者の尊厳の保持】【現状理解のためのサポート】【パートナーシップ】があることが明らかになった。 そこで、3カテゴリーの分類の信頼性と、質問文にした場合の妥当性について、脳神経外科看護を実践する看護師および成人看護学領域の大学教員の計7名に確認を依頼した。結果、3カテゴリーの枠組みはそのままに、一部、質問項目の削除と、文言を修正し、質問紙を完成させた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2019年度は、研究者自身の体調不良による休職時期があったため。 また、研究課題を進めるにあたり、アンケート用紙の信頼性確保のために、計画当初には予定していなかった文献研究及び有識者の意見収集が必要と判断し、調査過程を追加したため。 さらに、2019年度末から現在に至るまで、コロナウィルス感染症の拡大に伴って、調査期間として予定していた医療施設への、研究のための立ち入りに制限が生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
精選して作成した質問紙を用い、脳卒中患者の家族を対象とした質問紙調査を行う。 ただし、この調査は、新型コロナ感染症に対処する医療施設の状況を鑑み、時期・方法等を対象施設と十分に相談したうえで実施する。 本来であれば、急性期病院に入院中の脳卒中患者の家族、もしくは回復期リハビリテーション病院に入院中の患者の家族を対象とし、研究者が直接アンケート調査依頼を行う予定である。しかし、新型コロナ感染症により、研究者として施設への出入りが困難と判断した場合には、回顧的方法に切り替え、脳卒中患者会等に依頼し、郵送でのアンケート依頼など、実現可能な調査方法に変更して実施する予定である。
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Causes of Carryover |
本来昨年度実施予定であった、質問紙調査を実施予定である。そのため、質問紙調査票の作成、回収のための郵送費、謝金等、分析ソフトの購入にに主に予算を使用する。 また、研究成果の発表について、海外雑誌への投稿を予定している。そのため翻訳・校正、掲載費等に使用予定である。
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Research Products
(2 results)