2018 Fiscal Year Research-status Report
「産後の疲労感」のセルフモニタリングによるセルフコントロールと抑うつ状態の評価
Project/Area Number |
17K12322
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山崎 圭子 宮崎大学, 医学部, 教授 (50535721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 廣文 天使大学, 看護栄養学部, 教授 (80150655)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エンパワーメント / 疲労感 / 産後うつ病 / 尺度 / セルフモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産後うつ病の主要な症状である疲労感に焦点をあて、母親自身による疲労感のセルフモニタリングを行い、産後の生活をセルフコントロールすることによって産後うつ病のリスクを軽減させることを目的としている。 今年度は、「産後の疲労感」尺度 産後4か月版 の開発にあたり、尺度項目を作成するために、産後1か月から産後4月までの初産婦に、産後の生活で自覚する疲労感について半構造化面接を行い、質的に分析した。対象者は15名、平均年齢31.3歳であった。分析の結果、【身体的ストレス状態】【精神的ストレス状態】【睡眠が不足した状態】【育児困難感】【エンパワーメント】の5つのカテゴリが抽出された。 新たに抽出された【エンパワーメント】は4つのサブカテゴリで構成されており、<パートナーの協力><パートナーに対する感情>では、対象者は、パートナーに対して、一日中育児にかかりっきりになっている状況を理解して欲しい、自主的に育児や家事を手伝って欲しいと期待しているが、仕事で疲れて帰ってきているパートナーに育児や家事を頼むのは申し訳ないと思い、必要な援助を求めることができない状況であった。<実母の支援>では、実母の見守りにより安心して育児ができ、愚痴をいうことでストレスが軽減し、<他者とのかかわり>では、同じ体験している人と話すことで共感しあえることで安心感を得ていた。 育児期の母親は、生活を共にするパートナーや家族、同じ体験をしている他者との相互作用を通じてエンパワーメントし、育児期の危機を乗り越える力を獲得することが重要である。産褥早期の母親は、自分ひとりでは対応できない時には、家族や他者に援助を求める新たなソーシャルスキルを獲得できるような支援が必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年の実績を踏まえ、産後の疲労感に変化がみられる産後2~3か月の母親に焦点を当ててリクルートを行った。しかし、産後2~3か月の母親は、育児や家事で研究協力を得るのが難しく、データ収集に時間を要し、調査期間が延長したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の調査結果を基に、「産後の疲労感」尺度 産後4か月版を作成し、尺度の信頼性と妥当性を検証する。その結果を踏まえ、「産後の疲労感」尺度および「産後の疲労感」尺度 産後4か月版をweb.上で公開する準備を行う予定である。
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Causes of Carryover |
「産後の疲労感」尺度産後4か月版のWeb.開発を予定していたが、調査が遅れたため当該年度に使用することができなかった。次年度は、「産後の疲労感」尺度産後4か月版の調査とともに、Web.開発を行う予定である。
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Research Products
(2 results)