2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者や認知症の家族をケアする子ども・若者の発見・支援のためのプログラムの開発
Project/Area Number |
17K12323
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
青木 由美恵 関東学院大学, 看護学部, 教授 (60347250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 亜紀 関東学院大学, 看護学部, 助手 (00795883) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヤングケアラー / 若者介護者 / 高齢者ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者や認知症の家族のケアを担う子ども・若年介護者の実態とニーズを明らかにし、その課題への支援プログラムを開発することである。家族や地域内の支援力の低下が指摘される中、晩婚化、高齢出産の増加、少子化、ひとり親家庭の増加、貧困や外国につながる子どもなど、様々な分野の課題が複雑に絡み合い、子ども・若年の介護者は、「見えない」存在とも言われて複数課題を抱える状況が見られる。 そのため、平成29年度は以下のとおりで実施した。 1)調査実施に先立ち、申請者の所属する関東学院大学「人に関する研究倫理審査委員会」に申請し、承認を得た。 2)地域包括支援センターに働く保健師等・社会福祉士・主任介護支援専門員と地域のケアマネジャーを対象に、子ども・若年介護者に関する認識等について質問紙調査を実施した。行政機関の協力を得て、地域包括支援センターの所長等を通して研究依頼をした後に質問紙を配布した。質問紙には研究の趣旨説明および倫理的配慮等を記載した研究協力依頼書を添付し、返信用封筒を添え、質問紙の回収をもって同意の取得とした。回収は郵送で行った。調査内容は、2015年・2016年の申請者らの教員調査の質問紙における子ども・若年介護者調査の項目を参考にした。アンケートの回収を終え、現在データ整理・分析を開始したところである。 3)質問紙調査の後は、インタビューにより、子ども・若者たちのニーズ把握から支援までどのようにつながるのかを把握していくため、準備に着手した。具体的には、実際に支援活動を行っている専門職やボランティアとの交流を図り、活動の実際を知る機会を持つとともに、勉強会などを共に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
課題採択直後の春の時点から、研究組織内のメンバーの健康問題などにより研究活動に参加できず、人的資源が少なくなったことから研究体制が当初予定よりもやや厳しい状況となった。そのため、研究倫理審委員会の承認後の研究着手までに準備時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、初年度実施予定であった、子ども・若者介護者への支援者である地域包括支援センターに働く専門職やボランティアらにインタビューを行い、どのように現状を把握して支援に結び付けているのか、その流れを明らかにする。インタビューでは、対応事例について支援の実際から課題や連携の在り方を明らかにする。そのためには、研究の進捗が遅れ気味ではあるが、これまで以上に丁寧にフィールドとのかかわりを積み重ねたうえで、インタビューデータの収集に取り掛かる。 次に、その調査結果から課題を検討し、支援プログラムを作成する。 さらに、支援プログラムの実施・アウトカム指標の分析・評価を通じ、プログラム効果を明らかにし、プログラムの修正・改良をする。 なお、研究の進捗が遅れていることへの対応策としては、研究体制強化のために、日常の教育・研究において協力を得ている人々へ、新たな研究協力を依頼する。
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Causes of Carryover |
研究体制に変化が生じたために研究の遂行がやや遅延しており、予定した質問紙調査のデータ分析にかかる費用やインタビュー実施のための旅費等の支払いが、次年度使用額が生じた。 経費の使用計画は、設備費として、プログラムの実施や、調査結果概要の報告会のため小型プロジェクターの購入が必要となる。消耗品費としては、インタビュー調査の準備のため印刷トナー、図書、文具などが必要である。国内旅費としては、研究打合せ・インタビュー調査依頼のための旅費に加え、老年看護学会や日本認知症ケア学会等での情報収集および可能であれば年度末頃に第1報発表の為の国内学会旅費として使用する。人件費・謝金としては、データ整理・研究資料の発送作業等のための研究補助者の雇用(1人×4h×25日分=120千)と質問紙調査データの入力・分析補助業者への委託経費(@130×5頁×150件=100千)で計上している。プログラム作成および子ども・若年介護者に関する専門的知識の享受、プログラム運営に協力するスタッフ謝金、(1人×20h×6人分=120千)が必要である。その他、資料や依頼文書の郵送料などにも経費を使用する。また、先進的事例に関するインタビューのテープ起こし(@170/分×45分×15事例=115千)、会議・プログラム実施会場借用費、学会・誌上発表準備経費として翻訳費・校閲費なども必要になる予定である。
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