2018 Fiscal Year Research-status Report
看護職におけるDV被害者の早期発見及び支援のための教育プログラム導入への取り組み
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17K12326
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
泉川 孝子 摂南大学, 看護学部, 教授 (80413243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 祥子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (90347625)
天田 城介 中央大学, 文学部, 教授 (70328988)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DV被害者支援 / 看護職 / 困難感 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究における研究計画の先行研究として、前研究課題において、2014年度(平成26年)に収集したデータを検討し、「関西地区都市部の医療機関における看護職のDV被害者との遭遇と支援状況をテーマに、シンガポールで開催された第22回東アジア看護学者フォーラム(EAFONS)で、示説発表をおこなった。内容は、昨年度の日本助産学会発表に準じて、DV被害者との遭遇者(関西地区の医療機関所属の看護師・助産師)を対象とした。参加者は、第1回が看護師6名、第2回は看護師・助産師7名と研究者2名で実施した。分析の結果【看護職への情報提供】【DV研修や教育状況】【DV被害者との遭遇事例】【DV被害者対応の困難感】【DV被害者支援の方法】【虐待への対応】の6カテゴリーが抽出された。 【被害者との遭遇事例】では《病棟:見舞い中の交際男性から若い女性入院患者への暴力》、《整形外科外来:夫の暴力により離婚を検討中の子連れ女性》、《病棟:離婚した元夫(キーパーソン)から入院女性への暴力》、《外来:若い未婚女性によるパートナーからのDV被害申告に観察記録を残す》、《産科外来・病棟:妊娠中に義両親に紹介された風俗の仕事、出産後は乳児院に子を預けて復職》、《産科外来:内診室に同行する夫。妊婦からのDV被害申告で相談機関へ》のサブカテゴリーが抽出された。【被害者対応の困難感】では、《アセスメント能力に自信がない》、《その場がおさまれば一旦終結》、《当事者の同意、通報へのためらい》のサブカテゴリーが抽出された。 結論として、看護職は医療行為を伴う介入は行いやすいが、主観的なDV判断となると、対応の困難感から介入を躊躇する傾向がある。さらに看護職のDV被害者との遭遇機会は多岐にわたる。所属問わず対象層を広げたDV研修やDV被害者支援システムの整備等で、DVの啓蒙と対応の困難感減少に向けた取組みが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年度の計画としては、2017年度に引き継き看護職が抱えるDV被害者への対応における困難さの検討①看護職のDV被害者の遭遇とその対応の実態調査(実施・評価対象となるB総合病院)②看護者が抱えるDV被害者の対応における困難さの検討(実態調査後、B総合病院)のデータを再検討で評価した。また、前回は医療機関を中心とした調査、介入であったが、今回は、前研究課題の成果を元に地域においてDV被害者の支援に関わっている他職種の参加を含めて、DV被害者支援へのプロジェクトチームづくりをふまえて対象者(協力者)を募りたい。職場環境の諸事情(領域教員減少、母性看護学・助産学実習施設の確保)で、研究フィールドに出向く時間調整がつかなかったことで、引き続きDV被害者支援の早期発見及び支援のための教育プログラム導入の施設への調整に影響があった。しかし前研究課題のデータを再検討し、シンガポールで開催された第22回EFONSで報告できた。また地域フィールドとして助産院を開設している助産師の研究協力等への依頼は進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度は、研究活動としては情報収集や研究フィールドとの交渉が主となった。しかし前研究課題であった、2014年度のB総合病院における看護職のDV被害者の遭遇とその対応の実態調査と及び看護職のDV被害者の対応における困難さの検討の研究結果が再検討できた。その成果をもとに、2018年度は、看護職及び地域におけるDV被害者支援者の参加も含めてプロジェクトチームと協働し、B総合病院における看護職のための早期発見及び予防のアクションプランの実施(2ヶ月)について検討する。 その準備としてB総合病院看護職とDV被害者支援者の参加によるプロジェクトチームの結成を視野に入れるため、今後は、地域においてDV被害者に支援に関わっている他職種に研究目的を説明し参加を募って、DV被害者支援プロジェクトチームづくりを開始する。特に地域に根ざす助産院の助産師の参加は進んでおり協力が得られる見込みである。加えて、当初の計画において、対象となっていたB医療機関の変更も含めて検討し2019年度計画の実施に向け進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
2018年度の計画として、前研究課題である看護職が抱えるDV被害者への対応における困難さの検討①看護職のDV被害者の遭遇とその対応の実態調査(実施・評価対象となるB総合病院)②看護者が抱えるDV被害者の対応における困難さの検討(実態調査後、B総合病院)の再検討と評価であった。昨年度に引き続き研究代表者が所属する母性看護助産学領域の教員減少や少子化に伴い実習施設である産婦人科病棟の閉棟に伴う実習施設確保等の日常業務の煩雑化により、研究への時間確保が困難な状況であった。実習施設確保に伴い多施設の特徴は知ることができ情報収集はできたが、研究フィールドである医療機関や地域における支援者と交渉が整わず研究の進行が遅延したため、人件費・謝金、その他においての支出額が未使用となった。しかし前回の研究課題から、収集していたデータの整理を行い再分析し検討できたので次回につながる成果が得られ学会発表に関する支出はあった。また今回の研究に関わる情報収集については、ほぼ予定に近い支出となった。現在、地域においてDV被害者の支援に関わっている他職種への研究依頼、参加協力を募りDV被害者支援プロジェクトチームづくりとして、特に地域に根ざす助産院の助産師への依頼は進んでおり研究計画の実施に向けて進める予定である。
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Research Products
(1 results)