2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12331
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Research Institution | Sanyo Gakuen University |
Principal Investigator |
山中 絵美 山陽学園大学, 看護学部, 助教 (50795820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 美佳 山陽学園大学, 看護学部, 教授(移行) (30441398)
高木 二郎 山陽学園大学, 看護学研究科, 教授(移行) (50384847)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マタニティハラスメント / 就労妊婦 / 就労女性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,就労妊婦のリプロダクティブ・ヘルスおよびリプロダクティブ・ライツを擁護するため具体的な支援と,職場におけるマタニティハラスメント防止プログラムの構築に向けたマタニティハラスメント尺度の開発を図ることを目的とする。平成29年度は,基礎資料を得る目的で,職場のハラスメントに関する先行研究を整理し,次年度の調査に向けて尺度の項目案を作成する計画であった。 先行研究の整理として,国内外における職場のハラスメント・いじめに関する研究について,使用されている尺度および構成概念,同時に測定されている内容の文献検討を行った。国内外における職場のハラスメント・いじめの測定には様々な尺度が使用されていたが,妊婦を対象とした項目はみられなかった。また,いじめ・ハラスメントによる精神的な影響の他,身体的健康,仕事の意欲や職場環境等との関連が同時に検討されていた。マタニティハラスメントによる就労妊婦の健康被害の可能性を尺度によりスクリーニングできれば,専門家の支援がより早い段階で可能になるとともに,職場でのマタハラ防止プログラムの構築につなげる際に有用であると考えられ,マタニティハラスメント尺度の開発の必要性が示された。 文献検討の結果,過年度の研究成果,マタニティハラスメントと妊婦の健康に関する実態調査の結果等から,マタニティハラスメント尺度の項目案を暫定的に抽出し,次年度の調査に向けて尺度の項目案を作成した。この項目案を基にし,就労妊婦のハラスメント体験に関する調査について実施の準備を進めているところである。加えて,マタニティハラスメント防止プログラムの準備として,マタニティハラスメントを受けている妊婦を支援する助産師・看護師の基礎教育についても現在分析中であり,次年度内に結果をとりまとめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者が所属機関の実習等で県外業務が多く研究時間を削らざるを得ないことや,研究分担者との会議時間を設けることが難しいという現状があるものの,初年度は尺度開発に向けた文献検討を主としており,おおむね計画通りに進んでいる。文献検討の結果については,「マタニティハラスメント尺度の開発に向けて―職場ハラスメント研究における尺度の利用に関する文献検討―」として学会で発表した。また,研究結果は論文にまとめ,学会誌に投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,作成したマタニティハラスメント尺度の項目案により,就労妊婦を対象にした調査研究を実施し,マタニティハラスメント尺度開発のための基礎資料として集積する。現在,質問紙作成段階において,研究代表者と研究分担者の間で意見をまとめることが困難な状況にある。研究内容の分担の見直し,時間の調整等を行い,調査を次年度内に実施できるようにしていく。今後は,所属機関の倫理申請および協力医療機関との調整を行い,研究を推進していく予定である。また,平成29年度に行った文献検討を論文発表するとともに,現在分析中である妊婦を支援する助産師・看護師の基礎教育に関する結果について,学会発表を行い,論文投稿の準備も進めていく。
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Causes of Carryover |
平成29年度は,基礎資料を得る目的で文献検討を進めたため,物品費の購入予定額の差額が生じ,繰越金が発生した。主に,パソコン等のデジタルコンテンツの購入を予定していたが,本研究に使用するパソコンやソフト等は調査の分析が次年度以降となるため,今年度の購入に至らなかった。 次年度の研究費の使用計画について,パソコンおよび分析ソフトなどデジタルコンテンツに関しては,平成29年度は未購入であったため,平成30年度の検討・購入を予定している。また,次年度は尺度案を使用し,妊婦を対象とした調査を行う計画であり,データ収集等にかかる印刷費,消耗品費,郵送費等に使用する。さらに,調査分析のための消耗品費,統計学の専門家のスーパーバイズを受けるために必要な会議費および謝金等人件費に使用する。その他,学会参加等情報収集のための旅費,書籍の購入,論文投稿費等に使用する。
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