2018 Fiscal Year Research-status Report
暴力の加害者・被害者を予防する10代の若者向けeラーニングとDVD映像教材の開発
Project/Area Number |
17K12334
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
永松 美雪 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (30550769)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大重 育美 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (70585736)
石山 さゆり 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (80336122)
後藤 智子 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 准教授 (30441877) [Withdrawn]
島崎 梓 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助手 (20756879) [Withdrawn]
中村 美佳 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助教 (10828297)
園田 希 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 助教 (70826362)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 性暴力 / 予防 / 教育 / 映像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、全国の中学生・高校生・大学生など10代の若者が学習できる教材として、親しい相手やインターネットを通じた相手からの暴力の加害者・被害者になることを予防するための教育を展開することを目的とする。 インストラクショナルデザインとその理論に基づき、知識・技術・態度を学習者に習得させるARCSモデル理論(Attention:注意「おもしろそうだ」、Relevance:関連性「関係ありそうだ」、Confidence:自信「やればできそうだ」、Satisfaction:満足「やってよかった」)とガニェの9教授事象(学習者の注意を喚起する、授業の目標を知らせる、前提条件を思い出させる、新しい事項を提示する、学習の指針を与える、練習の機会をつくる、フィードバックを与える、学習の成果を評価する、保持と転移を高める)を導入しながら教育内容を検討した。また、中学生から大学生までの10代の若者に適応する評価内容を、ARCSモデルを活用し作成した。さらに、インターネット利用や性行動が活発化する10代の若者を対象として、暴力予防や暴力に遭いそうになった時の対応について、具体的にイメージできる事例を検討しDVD映像教材を開発した。 現在、一部の地域の高等学校と大学において、全ての学校で使用可能なDVD映像教材を使用した教育を実施し評価している。今後、その評価を分析し、映像教材を洗練し、e-ラーニングの映像コンテンツを作成し、全国の学校へ案内を拡大することを目標とする。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本赤十字九州国際看護大学倫理委員会の審査の承認を得て、中学生・高校生・大学生など10代の若者が在籍している学校の教育関係者へ開発したDVD映像教材を紹介し、研究参加の希望校を募集した。2018年6月から2019年3月までに、学校長や学長など施設長からの研究承諾を得た3高等学校と4大学でDVD映像教材を用いた教育を実施した。高校生と大学1・2年生の計1337名のうち、研究に同意し、教育前後の調査に参加し回収袋に提出した者は876名(回収率65.5%)であった。そのうち、10代で教育前後共に回答した者は681名(有効回答率77.7%)であった。教育前後共に回答した10代のデーターを増やすため、2019年8月まで教育前後の評価を継続する必要がある。 これまでの研究結果から、日本の複数の高等学校と大学で、DVD映像教材を使用した教育により、親しい相手や地域及びインターネットを通じた相手からの性暴力を予防するための態度についての効果が示唆された。一部、研究参加者の感想・意見から改善する必要性を確認された。
|
Strategy for Future Research Activity |
2018年6月から2019年3月までに得られた教育評価について、日本思春期学会で発表を予定している。2019年8月まで教育前後の評価を継続する。随時、得られたデーターと研究参加者の感想・意見をもとに教育評価を分析する。 今後、映像教材を洗練し、全国へ教育を拡大することを目標としたe-ラーニングの映像コンテンツを開発する予定である。教育内容の修正・編集は、日本赤十字九州国際看護大学の大学生・大学院生と全教研の協力を得る予定である。e-ラーニング前後のインターネットによる調査データーは、サーバー内に蓄積される無記名のアンケートの履歴を活用し評価する予定である。 全国の学校への案内には、研究代表者と研究分担者が所属している関連学会・協議会や全教研の協力を得る予定である。さらに、追加した教育評価についての研究の成果を関連学会で分担研究者と共に発表し、学会への論文投稿及び報告書の作成を行う。
|
Causes of Carryover |
映像教材を洗練し、全国へ教育を拡大することを目標としたe-ラーニングの映像コンテンツを作成するために使用する。
|
Remarks |
映像教材DVD「あなたとわたしにひそむ危険と楽しい関係」 日本赤十字九州国際看護大学制作 監修:永松美雪 教材作成:大重育美、石山さゆり他
|