2017 Fiscal Year Research-status Report
産後の母親の早朝覚醒時唾液中メラトニン値による生体時計の評価とその臨床的意義
Project/Area Number |
17K12340
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
兒玉 英也 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30195747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 ひとみ 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80319996)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メラトニン / 睡眠覚醒リズム / 育児ストレス / 光環境 / 産後うつ病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産後の母親の早朝覚醒時の唾液中メラトニン濃度の値と母親の睡眠覚醒リズム、光環境、並びに育児ストレスとの関係を明らかにすることを目的とした。そのため、分娩合併症がなく健康な単胎児を出産して育児に邁進する母親を対象とし、産後1か月の時点で、1)育児ストレスに関連する項目の質問紙調査(エジンバラ産後うつ病自己評価票、一般的不安尺度、ピッツバーグ睡眠質問票、疲労感の自己評価尺度)、2)アクティグラフによる睡眠覚醒リズムの評価、3)唾液中メラトニン濃度による生体時計の機能評価を行う。今年度は、研究計画を倫理委員会に申請し、レビューの結果承認を得た。この過程で再検討が必要だった問題が2つあった。第1は、当初産後1か月と産後3か月で縦断的なデータ収集を計画したが、経済的な制約とデータ収集の容易性から産後1か月のデータ収集に注力することとした(そのほうが、より明確な結論が得られると判断)。第2は、最終的に80例のデータ収集を予定しているが、研究のフィールドである大学病院の分娩数が少ないこともあり、十分な研究対象を確保できない可能性が考えられた。そこで、近隣の総合病院にも依頼を行い、その病院の担当医から調査協力の了承を得ることができた。また、唾液中メラトニン測定キットは、以前我々が使用していたキットとは別に新しいものが市販されており、測定手順が簡素化されていることから、そちらへの変更を検討することとした。現在、そのキットを用いた測定に技術的問題が派生しないか、基礎的な検討を行っている。また、唾液の収集方法についても、母親が容易に実践できる簡便な方法を、検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の最終的調整と倫理申請は終了し、データ収集に協力していただく他施設の了解も得たことは、おおむね順調に推移している。ただ本来の計画では、現時点でデータ収集がスタートしている予定であった。実際にデータ収集をスタートするのは、本年6月からを予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
唾液中メラトニン測定キットは、新しく市販されたものを購入したので、その測定に技術的問題が無いのかは早急に確認する。データ収集は、今年度中に30例以上を目標とする。
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Causes of Carryover |
本研究の物品費のかなりの部分は、唾液中メラトニン測定キットの購入費である。従来の計画では、昨年の後半でデータ収集が開始され、昨年の時点でかなりの数のメラトニン測定キットを購入する予定であった。しかし、データ収集の開始が今年度に遅れてしまったことで、その測定キットの購入を昨年度から今年度に変更した。測定キットは使用期限があり、購入から測定までのタイムラグが長くなることは避けたい。
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