2018 Fiscal Year Research-status Report
産後の母親の早朝覚醒時唾液中メラトニン値による生体時計の評価とその臨床的意義
Project/Area Number |
17K12340
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
兒玉 英也 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (30195747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 ひとみ 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80319996)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | メラトニン / 産褥期 / 睡眠 / 生体時計 / 育児ストレス / 光環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、産後の母親の早朝覚醒時の唾液中メラトニン値のスクリーニングを行い、生体時計が同調されていない(=メラトニン値の上昇している)母親にQOLの低下と心身のストレス増加がみられることを証明することを目的としている。収集データは、光センサー内蔵のアクティグラフを用いた3日間の光環境(照度データ)と加速度データ、早朝の起床時とその30分後の唾液中メラトニン濃度、母親のQOL並びに心身のストレスに関する質問紙(産後うつ質問票、育児ストレス尺度、睡眠質問票、眠気尺度、疲労感VAS)を用いた構造的問診である。現在までデータ収集は約60名に達していており、唾液中メラトニン濃度の測定は30例で終了している。メラトニンの測定値には個体間変動が大きく観察されている。具体的には、早朝の覚醒時にすでにメラトニン値が著明に低下している母親が約2/3で、残りの母親はメラトニン値が上昇した状態で覚醒している。また、その後の30分でメラトニン値が低下する母親とそのまま高い値を採る母親が存在する。このようにメラトニンの固体間変動が明確だったことから、研究の方向性に確信が得られている。また、アクティグラフのデータに関しては、具体的にどのような指標を用いたらよいのか、詳細な検討を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最初の2年間で、睡眠が寸断されて育児ストレスが顕在化してくる産後1ヶ月の母親約80名からデータ収集を行い、早朝起床時の唾液中メラトニン濃度と睡眠の状況、光環境、QOL並びに心身のストレス状況との関連性について検討を行う予定であった。当該年度はこの2年目に該当するが、現在までデータ収集は約60名に達しており、またメラトニンの計測も半数例で終了している。データ収集に若干の遅れはあるが、研究の進捗は概ね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、残りの20例のデータ収集を行うとともに、当初予定したように、メラトニン値の固体差が実際の夜間の睡眠パターンとどうのように関連があるのか、また夜間の光環境の影響を受けているのかを、光センサー内臓のアクチグラフのデータを基に解析を行う。また、メラトニン値と育児ストレス尺度との関連も解析する。年度末までに分析を終了して結論を出し、論文を執筆して投稿することを目標とする。
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Causes of Carryover |
データ収集がやや遅れていることから、予定していた唾液中メラトニンの測定(約50例)が次年度に繰越となった。測定キットは、実際の測定時にフレッシュな状態で購入したものを使用したいので、その分のキット購入料金を繰りこすこととした。また、測定に使用する消耗品も同様に繰越すこととした。
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