2018 Fiscal Year Research-status Report
NICUの新人看護師を対象とした教育支援プログラムの開発
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17K12372
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
井出 由美 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (80644591)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NICU看護 / 新人看護師 / 継続教育 / Transition / 新人看護職員研修 / ハイリスク新生児 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目はプログラム開発と実用化に向け、NICUの新人看護師に対する教育の実態に関して調査し、プログラム原案を作成した。 調査は、全国の周産期母子医療センター406ヶ所(各新人看護師2名・看護師長・看護部長)とそれらを所管する都道府県の担当部門を対象に、現任教育の実態と課題を明らかにするとともに、新人看護師の到達目標に関する合意形成を図ることを目的とした。対象と意図により3種類の方法(横断調査・Delphi調査・縦断調査)を用いた。 横断調査では、都道府県の担当者に対し「周産期医療体制整備指針(厚生労働省2010)」に基づく周産期医療関係者への研修の実施状況やNICUの看護師の人材育成に関する課題や取り組みについて実態を尋ねた。また、新人看護師・看護師長・看護部長には、「新人看護職員研修ガイドライン(厚生労働省2014)」(以下ガイドライン)に基づく到達目標設定の際に考慮する項目を参考に、施設の役割や機能、現任教育の体制、具体的な教育の方策と課題、満足度、到達目標などを質問した。 Delphi調査では、5施設でNICUの新人看護師の臨床実践能力評価に用いられるツールを基に、ガイドラインのカテゴリーに沿って抽出した171項目について、評価項目の妥当性と期待する到達レベルを尋ねた。回答者はNICUの看護師長、調査回数は3回とした。 縦断調査では、新人看護師の臨床実践能力に関する到達度レベルを検討するために、新人看護師の獲得状況を3時点にわたり調査し、実態を明らかにした。調査項目はDelphi調査と同一である。 これらの調査結果と前年度に行ったインタビュー調査の結果に基づき、NICUの新人看護師を対象としたTransition支援プログラムに求められる要素とし、ガイドラインの「臨床実践能力の構造」の枠組みに沿って、プログラムの原案を作成した。2019年4月よりPilotテストを実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Pilotテストの計画に際し、今後のプログラムの実用化と普及を視野に入れた実装研究(Implementation Research)の手法を取り入れて計画を熟慮したことにより、時間を要した。実装科学(Implementation Sience)は、研究から得られた知見やエビデンスを保健医療分野における政策、公衆衛生、臨床活動に取り入れることを 促す方法を研究する学問領域とされ、実装研究は、エビデンスに基づく介入(Evidence Based Intervention EBI)を臨床やコミュニティーの場に組み込む際の過程、阻害要因、促進要因を明らかにする研究とされる。 新人看護職員研修ガイドラインや他領域での新人看護師の教育に関する先行研究が示されている状況を鑑み、単なるプログラム開発に留まらず、NICUの臨床現場での実装に関する戦略や評価が重要であるととらえた。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、1施設を対象としてPilotテストを行い、その結果に基づいてプログラムの洗練を図る。また、結果を示しながら、複数施設での実施に向けた実装戦略の追加計画を行う。2020年度は、対象施設を複数施設に拡大して実施する計画である。
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Causes of Carryover |
2018年度に実施予定であったPilotテストが、2019年の実施を予定している。シミュレーターや研究協力者への謝金などの予算を計上している。
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