2017 Fiscal Year Research-status Report
小児がんの子どもをもつ親に対するレジリエンスを高めるためのパスポートの開発と検証
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17K12374
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
河上 智香 東邦大学, 看護学部, 准教授 (30324784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出野 慶子 東邦大学, 看護学部, 教授 (70248863)
小川 純子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (30344972)
大橋 一友 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30203897)
竹倉 晶子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (20461337)
井上 雅美 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター(研究所), その他部局等, 血液・腫瘍科・主任部長 (30565354)
天野 里奈 東邦大学, 看護学部, 助教 (90459818)
高山 充 東邦大学, 看護学部, 助教 (20623424)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 小児がん / レジリエンス / パスポート / 親 / インタビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
現在日本人の2人に1人はがんになるといわれており身近な病気の一つであるが,小児がん(一般的に15歳未満)と診断を受けるのは年間2,000~2,500例程度とされ,子ども10,000人に約1人の割合とがん全体の1%に満たないほど症例数が少ない疾患である.さらにがんは,禁煙や食事療法,運動不足の解消といった生活習慣の改善によって予防することができるとされている病気であるが,小児がんの発症原因は不明であるものの,年齢別子どもの死亡原因の上位を占めており,子どもにとって大きな脅威となる.そこで本研究では,がんと診断をされた子どもをもつ家族が困難を乗り越えて,日常生活に適応するための支援を探求することを目的として行った. 小児がんの順調な治療の遂行や,治療後の長期フォローアップを含めて家族の協力が必須であるものの,小児がん患児の親は未知の逆境により強い心理的危機状況にあり,発症した子どもの年齢に合わせた集中的なケアや家族へのがん教育は不十分な現況が見受けられる.そこで本研究では,①小児がんの子どもを持つ親の心理的適応,②危機状況から脱するために援助をレジリエンスの視点から明らかにし,③援助を受けた親が子どもの支援者となる移行ケアとしてレジリエンス・パスポートを作成しその効果を検証することを目的とする.本結果から病児の親を支援する実践的示唆を得るとともに,小児看護のケア向上に資するための介入研究への一助を得ることを目的とする. 今年度は入念な国内外での文献レビューを行い,小児がん患児をもつ家族のレジリエンス要素の特徴を整理し,学会で発表し,インタビューへ向けた準備を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
十分にクリティークした文献レビューと海外施設の視察で得られた知見を合わせて,インタビューガイドを作成予定であったが,海外情勢により視察を留保したため,おおむね順調ではあるものの,若干の遅れがみられている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の海外情勢の安全面に関する問題から,進捗状況に遅れがみられたため,研究計画の見直しを行った.平成30年度は,小児がんに関連する研究分担者も含めた有識者で研究会を発足させ,レジリエンスを高めるためのブックレットの内容について検討する.さらに小児がん患児の家族へのインタビュー準備を進めていく.
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Causes of Carryover |
当初予定されていた海外視察を留保し,以降の計画の変更を余儀なくされたため,次年度使用額が生じた.次年度は,研究会のための会議費,インタビューに対する謝金,国内外での成果発表のための学会参加費や旅費などに使用する予定である.
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Research Products
(3 results)