2017 Fiscal Year Research-status Report
侵襲的処置体験をした子どもへのアフターケアモデルの開発
Project/Area Number |
17K12379
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Research Institution | Kyoto Gakuen University |
Principal Investigator |
今西 誠子 京都学園大学, 健康医療学部, 准教授 (50321055)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 侵襲的処置 / 子ども / 心理的回復 / 看護援助 |
Outline of Annual Research Achievements |
子どもは侵襲的処置体験により様々な心理的影響を受ける。子どもが侵襲的処置体験により受けた心理的影響を克服し、子ども自らが次の侵襲的処置に主体的に協力・参加できるためのアフターケアが求められている。本研究は、侵襲的処置体験による子どもへの心理的回復を促進するためのアフターケアモデルを構築することである。本年度は、小児病棟で働く看護師を対象に、侵襲的処置後の看護援助の現状を明らかにすることである。本研究を実施するにあたり本学の倫理委員会で承認を得た。侵襲的処置体験する子どもの看護経験のある看護師に研究の趣旨を説明し、同意を得た上で、侵襲的処置前後の看護援助内容と子どもの反応、子どもが侵襲的処置の影響から回復したと考える反応と理由等について語ってもらい、ICレコーダーに録音した。録音した面接内容を逐語録にして整理をし、質的記述的分析法を行った。結果、【侵襲的処置に対する理解しやすい説明】【侵襲的処置に対する思いへの配慮】【侵襲的処置に対する緊張の緩和】【母親と子どもの関係を把握した関与】【侵襲的処置による恐怖の軽減】【侵襲的処置体験による緊張の緩衝】【子どもの侵襲的処置体験の家族による承認への支持】【子どもの侵襲的処置体験の承認】【侵襲的処置体験後の子どもの気持ちの容認】【侵襲的処置後の子どもと看護師との関係の再構築】のカテゴリーが明らかとなった。看護師は侵襲的処置の各段階において、侵襲的処置からの心理的回復を促す援助をしていた。また、面接調査の結果を基に、侵襲的処置場面における心理的回復に向けた看護援助の実施項目等64項目で構成された4段階によるリッカート法の質問紙を作成した。全国の小児入院医療管理料の施設基準を届け出している病院800施設に質問紙を郵送した。現在、データ入力・分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた、小児病棟で働く看護師を対象とした面接調査、および文献等については研究開始前年度より準備をしていたことが、順調に進展している理由と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度前半にアンケート調査結果の分析を終える。後半は面接調査及び質問紙調査の結果を、侵襲的処置体験を子ども自身が意味づけられる関わりと問題について統合的に分析し、侵襲的処置体験をした子どもへの看護援助の実践的内容の課題に対する実践的ケアモデルを考案する。看護援助の実践的内容の課題に対する実践的ケアモデルの考案に向けて、臨床看護師を交えた研究グループの結成をはかる。その際、グル-プメンバーでのプレパレーション・ポストプレパレーションの学習会、考案したモデルについて検討を行う。この過程ではフォーカス・グループインタビューを実施し、総合的分析から、臨床実践的かつ有用な「侵襲的処置体験をした子どもへのアフターケアモデル」を構築する。
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