2017 Fiscal Year Research-status Report
慢性疾患をもつ小児のためのクリニックにおける地域生活型看護ケアプログラムの開発
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17K12382
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
内 正子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (20294241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 由美子 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (60549145)
丸山 有希 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (50759389)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 小児 / 慢性疾患 / 地域 / クリニックナース |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度であるため、クリニックにおける地域生活型看護ケアについての先行研究を調べた。医中誌データーベースを用い、「小児」「地域」「看護」「慢性疾患」のキーワードで文献検索を行ったところ、56文献が抽出された。その文献を調べ研究目的に沿った57文献について、研究代表者と分担者で検討を行った。その結果、クリニックナースに必要なケア内容として、慢性疾患をもつ小児の発達段階別のセルフケア等、病状に関連する事項以外に、地域で生活するという視点での学業や社会福祉サービス、医療制度等の理解が不可欠であることが示唆された。クリニックナースについての先行研究が希少であることから、今後は情報源を拡大して収集していく必要がある。 ケアプログラムを検討するにあたって、クリニックで活動している小児看護専門看護師と小児アレルギーエデュケーターより情報収集を行った。慢性疾患をもつ子どもや家族への主なケア内容としては、服薬指導や処置・検査時のケアであった。クリニックでは、看護師の雇用形態が多様であり、専門性も様々であることから、事務職を含む全ての職員が共通認識をもち、協力していくことが重要であると示唆された。また、クリニックに通院する子どもは生活する地域や集団に大きく影響するため、その生活への支障が最小になる支援が必要であることがわかった。さらに、クリニックナースの雇用形態の関係上、彼らのネットワークは少なく、クリニックの管理者すなわち医師からの情報提供が主であった。クリニックナースの専門性を高めるためには、彼らのネットワークの構築も必要であることがわかった。研修会の開催の方法については、クリニックナースの雇用形態などの現状を踏まえた方法の必要性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は大きく4つを計画しており、その内、文献検討と研究協力者の整備については、ほぼ順調にすすんだ。しかし、一部の研究協力者の整備においては、先方との日程調整が合わず行うことができず、それに伴い、ケア内容およびプログラムについての専門的知識の提供を受けることができなかった。また、予定していた学会への参加も本務との日程調整が合わず、参加することができなかった。そのため、ケアプログラムの内容を検討するための情報が不足している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を進めていく。具体的には、文献検討の結果と研究協力者から得た情報等を精査し、看護ケア内容の検討とケアプログラムの試作を行う。随時、研究協力者も含めた合同会議を開催する。地域でのケアに精通する小児看護学の専門家や、地域看護の専門家で小児を対象とした包括的なケアの研究に精通する研究者に専門的知識の提供を受けながら洗練させていく。 地域のクリニックで生活志向の看護ケアを実施している英国の施設へ視察を行う。年度内に視察が可能なように、先方に在外研究の経験がある研究協力者と調整を行っていく。 看護ケアの内容およびプログラムを試作した段階で、クリニックの看護師を対象に、ケアプログラムについての研修会を企画する。研修会の構成としては、看護ケアの内容(家族とのコミュニケーションや多職種との連携等)の講義と実際にケアを獲得できるためのロールプレイや討議等、方法についても検討する。クリニックの看護師である研究協力者からの意見も取り入れる。 今後の研究を推進するために、研究補助者を定期的に雇い、ケア内容やプログラム作成のための補助をしてもらう。
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Causes of Carryover |
本年度予定していた学会参加や研究協力者との打ち合わせが、本務との日程調整の都合上、行うことができず、旅費や謝金が使われなかった。また、参加した学会においても近隣であったため、当初計画していた金額より余剰してしまった。 今年度は、学会参加に伴う旅費および参加費、研究協力者との打ち合わせのための旅費、英国での調査に伴う旅費、専門的知識の提供による謝礼、研究補助員への謝礼に使用する予定である。
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