2020 Fiscal Year Research-status Report
認知症の認識とケアに関する研究―EPAで来日する看護師の教育と支援に向けて―
Project/Area Number |
17K12410
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
植本 雅治 神戸市看護大学, 看護学部, 名誉教授 (90176644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 藍 四條畷学園大学, 看護学部, 准教授 (10438252)
平野 裕子 (小原裕子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50294989)
瀧尻 明子 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 講師 (70382249)
野上 恵美 神戸大学, 国際文化学研究科, 協力研究員 (90782037)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 認知症 / ヴェトナム / 老年看護 / 国際比較 / 高齢者ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
Covid-19ウイルス流行の為、令和2年3月に予定し、準備を進めていた現地調査を中止せざるを得なく、現地関連機関のスタッフとの連絡も取りにくい状態が続いている。そのような状況下において、令和元年度までに得られた調査結果の再検討を行った。令和3年1月には、文化人類学など異なった専門領域の研究者とともに、ベトナムにおける高齢者ケアに関する合同研究会をオンラインにて行った。 本研究会においては、我々がこれまでに行った、ベトナムと日本の看護学生を対象とした、認知症に関する質問票調査の結果を報告した上で、他の参加者と学際的な視点からの比較検討を行った。質問票は、本人と本人から見たまわりの人の認知症についての認識、考え方、対応について問うたものである。 認知症に対する認識やその経過に関する知識が日本ではベトナムに比し高い、一方、地域で暮らす認知症患者が「困る」存在であると捉えられる傾向や、高齢者施設の有用性についての認識も日本ではベトナムに比しかなり高く見られる、また、ケアにおける宗教の関与についての評価はベトナムにおいて高い、などの上記調査の結果に対し、ベトナムにおいては、親の面倒は子が見ることが当然と言う考え方が強いこと、大家族制度が残っており、親子同居家族が多いこと、高齢者用の施設がなお乏しいこと、などが関連していることが、文化人類学的・社会学領域での調査結果も参照し、議論された。また、医療状況、宗教活動などとの関連についても意見が交わされた。 今後、これまでに行った別の調査結果も含め、学際的な視点から、より詳細な検討を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19ウイルス感染流行の為、令和2年3月に予定し、準備を進めていた現地調査を中止せざるを得なくなり、その後も、調査再開の予定が立てられず、現地関連機関のスタッフとの連絡も取りにくい状態が続いているため。
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Strategy for Future Research Activity |
分担研究者らとの、検討会を定期的に行い、これまでに得られた調査結果について、ベトナムの高齢者に関する、文化人類学・社会学領域の研究結果や調査結果を踏まえ、より詳細な検討を行っていく予定である。加えて、上記他専門領域の研究者との学際的なシンポジウムをに行い、多様な視点からの助言を受ける予定である。 Covid-19ウイルス感染流行が収まり、渡航可能になり次第、令和2年3月に予定し中止せざるを得なかった調査を施行する予定である。もし、ベトナムへの渡航が難しい状態が続く場合、国内において感染流行が収まり、国内での調査が可能になるならば、日本の高齢者施設に勤務するか、介護専門学校で学ぶベトナム出身者を対象とした調査を行うことも検討している。
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Causes of Carryover |
Covid-19ウイルス感染流行の為、予定していたベトナムでの調査ができず、調査施行及びその結果分析や発表もできなかったためである。今後はこれまでの、分担研究者らとの、検討会を定期的に行い、これまでに得られた調査結果について、ベトナムの高齢者に関する、文化人類学・社会学領域の研究結果や調査結果を踏まえ、より詳細な検討を行っていく予定である。 加えて、上記他専門領域の研究者との学際的なシンポジウムをに行い、多様な視点からの助言を受ける予定である。 また、感染が収まり、渡航可能になり次第、現地での調査を再開する予定である。もし、渡航が難しい状態が続く場合、国内において感染流行が収まり、国内での調査が可能になるならば、日本の高齢者施設に勤務するか、介護専門学校で学ぶベトナム出身者を対象とした調査を行うことも検討している。 助成金は上記、分析や検討会開催、及び可能になり次第行う調査のための費用に当てることを予定している。
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Research Products
(1 results)