2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of oral function training program to prevent heat-related illness in the elderly.
Project/Area Number |
17K12421
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
太田 淳子 杏林大学, 保健学部, 学内講師 (30785184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 恵美子 杏林大学, 保健学部, 教授 (10449001)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者 / 熱中症 / 口腔機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究テーマである「高齢者の熱中症予防対策としての口腔トレーニングプログラムの構築」を実施するにあたり,ステップ1研究として熱中症と口腔機能との関連について検討した.第1研究の目的は,高齢者が発症する熱中症の背景要因としての口腔機能の関連について明らかにすることである.研究デザインは症例対照研究であり,後ろ向きに入院診療録からデータを収集した.対象は都内A病院に平成25年から平成30年の夏季に熱中症と診断された,または熱中症疑いで入院した65歳以上の高齢者37名と熱中症ではない高齢者37名であった.分析方法は,症例群と対照群の2群間で比較し有意差の認められた変数を独立変数とし,熱中症の有無を従属変数とし二項ロジスティック回帰分析を行った.症例群と対照群の2群間で比較した結果,服薬の有無:抗精神薬,既往歴:認知症の疑い,口腔内汚染,舌苔,口腔内乾燥は症例群に有意に多かった.二項ロジスティック回帰分析を行った結果,舌苔の有無(オッズ比:3.834,95% 信頼区間:1.401-10.493) と 抗精神薬の服用の有無(オッズ比:4.704,95%信頼区間:1.119-19.776) が有意な変数として選択された.以上の結果から舌苔の有無は熱中症の背景要因として示唆された. ステップ1研究の結果を踏まえ,ステップ2の研究では介入研究において口腔機能を高めることで熱中症の身体的リスク要因が低減するか検証する予定だった.しかし,新型コロナウィルスの感染拡大に伴い調査フィールドの確保に難航し,研究対象者を確保することができないまま第2研究については断念した.
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