2020 Fiscal Year Annual Research Report
Developing a Comprehensive Care Protocol for Physical Restraint Optimization among Elderly Patients in Acute Care Hospitals
Project/Area Number |
17K12423
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
杉山 智子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (90459032)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 身体拘束 / 高齢者 / 看護師 / 急性期病院 / 家族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、一般病院での身体拘束の適正使用に向けて必要となる高齢者と家族に対するケア方法を明らかにすることを目的としている。今回は、一般病院での身体拘束低減・廃止に向けた具体的なケア方法として、患者、家族への対応方法、管理方法を明らかにすることとした。対象は、一般病院で高齢者看護に熱心に取り組んでいる認定看護師、看護管理者、リーダークラスの看護師19名とした。研究方法は、半構造化面接法とし、身体拘束に代わる具体的なケア方法、身体拘束開始時や身体拘束解除に向けた取り組み中における家族への説明とそのケア内容、身体拘束の低減に向けた取り組み、求められる看護ケアや管理体制の視点等について聴取した。その結果、特に認知機能が低下した高齢者に対しては、身体拘束を外すためのケアに特化せず、認知機能障害をもつ高齢者に向けた基本的なケア実践を行うよう心がけていた。また、身体拘束開始をする際の家族への説明では、身体拘束に伴うリスクだけではなく、身体拘束解除に向けた取り組み・ケア、特にリスク回避のケアについても説明していた。家族が身体拘束を希望してきた経験をもつ看護師は多く、その場合、身体拘束実施のリスクや本人の感じる苦痛、病院側が必要と判断する段階までは身体拘束を実施しないことを家族が納得できるようわかりやすい説明ができるよう工夫しており、状況に応じて、医師の協力も得るようにしていた。身体拘束を減らす取り組みでは、他職種を含めた多職種との連携やチームアプローチの重要性を語り、協働できるよう様々な取り組み方をしていた。したがって、身体拘束適正化に向けたケアプロトコルでは、包括的な高齢者への基本的ケアの実施と家族ケア、多職種連携に向けたケアの要素を取り入れる必要があることが改めて示唆された。今後はこれらケア内容を構造化していく。
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