2019 Fiscal Year Research-status Report
食行動関連障害のあるレビー小体型認知症高齢者の在宅ケアモデルの検討
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17K12426
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Research Institution | Shoin University |
Principal Investigator |
草地 潤子 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40269460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 悦子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (40329181)
品川 俊一郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (90459628) [Withdrawn]
永澤 成人 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (30759048) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知症高齢者 / 食行動障害 / 文献レビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
日本の在宅認知症高齢者の食行動障害の状況を把握するため、文献検討を行った。在宅認知症高齢者の研究は少なかったため、在宅に限定せず、日本における2000年から2018年3月までの文献を研究対象者の特性、研究テーマの内容ごとに整理し、研究における今後の課題について検討した。対象文献は36編、分野は看護が最も多く15編、他は歯学、栄養学、医学、作業療法学、理学療法学、老年学、社会福祉学など多岐にわたり、様々な方面からのアプローチがなされていることが示された。研究対象は地域在住高齢者6編(認知症高齢者を含む)、認知症高齢が23編(うち地域在住高齢者1編、施設在住高齢者22編)、家族2編(重複あり)、看護師・介護士・施設職員7編(重複あり)であり、施設に入所している認知症高齢者を対象とした研究が多かった。研究方法は因子探索研究が9編(25%)、実態調査研究が5編(13.9%)、事例研究3編(8.3%)、関係探索研究が2編(5.5%)、比較研究が10編(27.8%)、実践介入研究が6編(16.7%)、実践研究が1編(2.8%)で比較研究が最も多かった。看護分野の研究は因子探索研究、実践介入研究が多かった。比較研究は栄養学や歯学の領域によるものが多く、認知機能の重症度と摂食障害、栄養状態との関係に焦点が当てられていた。研究の主要なテーマ別分類では「認知障害と食行動障害との関連に関するもの」、「看護師・介護士の援助に焦点を当てた研究」、「認知症の進行度に合わせた環境調整の必要性に焦点を当てた研究」、「胃瘻の導入に焦点を当てた研究」の内容が明らかとなった。研究対象は施設入所の認知症高齢者が多く、施設等の現場で活用可能な知見が得られた。今後は多様な認知症疾患高齢者や、在宅で生活する対象へ拡大していくことや食事に関する日常生活行動援助技術の効果測定研究や介入研究が行われる必要があると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2018年4月に現在所属の大学に着任し、2018年度は協力施設の探索やフィールドワーク、文献検討を行い、研究計画の練り直しを行った。2019年度は2018年度に行った文献検討ををまとめたが、所属の人員減少のため講義や実習指導の業務が増え、研究活動が行えなかった。 2020年3月~8月に在宅で生活するレビー小体認知症高齢者の食行動の総合的、縦断的な調査を行う予定であったが、2020年3月に新型コロナウィルス蔓延と感染拡大予防のため、在宅生活するレビー小体認知症高齢者に面接調査を行う研究活動は停止せざるを得なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
在宅で生活するレビー小体認知症の高齢者に直接面接調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルスによる感染予防の観点から、双方の感染リスクを回避することが困難である。そのため研究計画を変更し、在宅分野の保健医療福祉従事者にレビー小体認知症高齢者の食事に関連する課題をどのようにとらえているか、および現在実施されている支援の状況について明らかにするためのオンラインでのグループインタビュー面接を行い、実態調査のための基礎的資料とする。ランダムに選択した日本全国の介護支援事業所、訪問看護ステーション、訪問介護事業所に質問紙調査の協力を依頼し、郵送による回答の回収、データ入力・分析を行う。
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Causes of Carryover |
2018年に現大学に着任し、研究環境に変化が生じため、新たな研究協力施設の再探索や認知症デイケアで定期的なフィールドワークを行った。2019年には在宅生活を送るレビー小体認知症高齢者に食行動の基礎的調査を縦断的に行う予定であったが、所属領域の領域長業務に主として従事していたこと、領域員の年度途中の退職により講義、実習指導業務の負担が増え、実質的に研究活動に従事することが困難であった。2020年度は新たに領域長が着任し、指導体制が整ったため、研究活動に従事できる見通しとなった。社会状況として新型コロナウィルス予防のため、面接でのデータ収集が困難であるため、web videoによる面接、郵送による質問紙調査に切りかえる必要があり、器材、印刷費、郵送費、人件費等が必要となる。
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