2019 Fiscal Year Research-status Report
高齢者のタイプⅡコミュニケーションにおける近赤外線分光法による脳の活動性の検討
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17K12427
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
深谷 安子 関東学院大学, 看護学研究所, 客員研究員 (20238447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 隆憲 東海大学, 法学部, 教授 (00234279) [Withdrawn]
川口 港 関東学院大学, 理工学部, 助手 (00773350)
留畑 寿美江 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (40360995) [Withdrawn]
佐藤 祐子 関東学院大学, 看護学部, 助教 (10285968) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NIRS / コミュニケーション / 前頭葉 / OxyHb / 高齢者 / 若年者 |
Outline of Annual Research Achievements |
ケア提供者-患者間になされるコミュニケーションには,タスク指向会話と日常会話 (生活世界コミュニケーション) の2タイプがある。介護施設においては高齢者の 1 日の平均発語時間は 4 分と著しく少ない。この理由は、会話の約 75%がタスク指向コミュニケーションで占められ、高齢者の発語が制約されることにある。反面、生活世界コミュニケーションは、高齢者の発語を促し、高齢者の精神活動の活性化に影響を及ぼす可能性がある。したがって、本研究は、各タイプのコミュニケーションと脳の活動性との関連性を近赤外線分光法(NIRS)により解析することを目的とした。高齢者と若年者に対して前頭野へのNear-infrared spectroscopyによる酸素化ヘモグロビン濃度の測定を試みた.アーチフェクトの除去には、離散ウェーブレット変換を適用した。2タイプ間の比較には対応のあるt検定を使用した。その結果,生活世界コミュニケーション中の平均酸素化ヘモグロビン濃度はレスト(rest)時及びタスク指向コミュニケーションのものよりも高かった。この傾向は高齢者の方が顕著であった.本研究で示された,生活世界コミュニケ-ションが前頭野の高い賦活をもたらすという結果は,今後病院や施設における高齢者へのコミュニケーションのあり方の改善に貢献する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では令和元年に成果を国際誌に投稿予定であったが、NIRSによる前頭葉の賦活化の測定に想定外の時間を要したことによる。NIRS装置は NIRO-200NX(浜松ホトニクス)16チャンネルを使用したが、被験者の頭蓋の形状や毛髪の量によっては測定不能となるケースが多くみられ、被験者を再募集せざるを得なかった。また、NIRSデ-タは、照射プローブと受光プローブ間の距離とその変動、体動によるアーチフェクト、心拍などの生理的アーチファクトなどの多くのノイズが混入するために、これらのノイズ除去のための分析に多くの時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに、国際誌への成果発表に向けての日本語論文は作成ずみであり、現在翻訳を依頼中である。翻訳終了後に投稿予定である。
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Causes of Carryover |
調査に想定外の時間を要したために、成果発表に必要な予算の執行ができなかった。 次年度使用額は国際誌投稿のための翻訳費用、論文投稿費に使用する予定である。
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Research Products
(2 results)