2017 Fiscal Year Research-status Report
看護師を対象とした地域連携研修デザインのためのアクションリサーチ
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17K12434
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Research Institution | Shijonawate Gakuen University |
Principal Investigator |
記村 聡子 四條畷学園大学, 看護学部, 講師 (70454725)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CBPR / 地域連携研修 / workshop |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、CBPRの第1段階である地域連携研修プログラム開発に取り組んだ。プログラム作成は、中山間地域と都市部の2地域で実施中。 中山間地域での成果は次の通りである。メンバーは、住民、看護師、理学療法士・作業療法士の計22名で構成される。まず初めに、マインドマップを用いて地域の課題を明確にした。次に、地域の課題であり目標となる「地域リハビリテーション」をキーコンセプトに、地域連携研修の開発に取り組んだ(第58回日本社会医学会総会にて報告)。開発された研修は、地域中核病院看護部の院内教育プログラムに組み込み、平成30年度9月に実施予定である。また、メンバーに住民が加わりディスカッションすることで、「自分の健康は自分で守る思いが大切」と住民が運動教室を開催していること、「コミュニティ活動の地域格差」など、病院の中では見えない地域の現状を共有することができた。今後、住民と共に実施する効果を明らかにしていきたい。 CBPRとは参加型アクションリサーチであり、その実践の仕方によって、結果が大きく変わる可能性がある。中山間地域でのアクションから得れたCBPR実践への課題をふまえ、都市部で研究組織を立ち上げた。都市部ではACPをキーコンセプトに、地域連携研修をデザインしていく。 2地域での実践は、地域の実情に合わせた地域連携研修への示唆、さらに、我が国におけるCBPR実践についての特徴を示すことができると考える。 視察:先駆的な取り組みとして、京都府綾部市コミュニティナースの視察をおこなった。この視察は、中山間地域と都市部との合同開催とし、コミュニティ活動に関する情報交換の機会を提供した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2017年~2018年は、研究チームを組織し、地域連携研修プログラムデザインを計画で上げている。中山間地域では、概ね研修プログラムの開発を終えている。 当初は1地域での実施を計画していたが、地域と話し合いを重ね、都市部でも開催することとした。都市部は2017年11月に研究チームを組織したため、本研究計画からは若干遅れた進度となっている。 日本文化における看護師リーダーシップの概念分析は、平成30年度に実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)中山間地域での地域連携研修の実施・評価:若手の病院看護師を対象とした研修を実施する。メンバーはマネジメント~研修講師、評価を担う。今後は、行政や他の専門職も巻き込み、コミュニティの醸成を図る予定にしている。 (2)都市部での地域連携研修プログラム開発:ACPをキーコンセプトに研修をデザインする。住民・専門職がACPについて本音で語り合うために、まず、コミュニケーションの視点から環境を整えるていく。 (3)社会への発信:メンバーと共に社会への報告を行う。中山間地域・都市部共に、メンバー全員で学会報告を行う事は、日程調整を含め、かなり難しいと予測される。そこで、中山間地域、都市部、および2017年度に実施した京都府綾部市のコミュニティナースの3者での交流会を検討する。
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Causes of Carryover |
研究メンバーの意向により、2018年度は交流会を開催する予定にしている。 都市部で行う研修には、演劇ワークショップの専門家を講師として招くため、講師料として使用する。また、演劇ワークショップの在り方から、その評価・分析方法に至るまでスーパーバイズを受ける予定にしている。
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