2017 Fiscal Year Research-status Report
Decision making process about requiring long - term care and terminal periods on the life of the elderly
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17K12435
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
川喜田 恵美 神戸女子大学, 看護学部, 准教授 (00513566)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 高齢者 / 意思形成 / 終末期 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は平成28年に実施した予備調査をもとにして、基本調査と個別面接調査と「高齢者同士での語り合い(6カ月間)」の実施によるデータ収集とデータ分析を実施する予定であったが、研究者が手術を含む病気療養を長期間要したため、計画通りに研究を進めることが困難であった。体調が整って研究ができるようになったところで、予備調査結果を質的記述的に分析し、質的研究に精通しておられる大学教授にもスーパーバイズを複数回にわたり受け、研究の分析と結果について指導を受けた。その内容を日本社会福祉学会と日本臨床死生学会で発表した。その後は研究結果を論文として投稿するために、研究内容をまとめ、論文作成を現在も継続して実施しているところである。また遅れている本調査を実施するために、予備調査での改善点を明らかにし、見直しを行った。「高齢者同士の語り合い」において、特に介護を受けることがイメージしにくく、また介護の状態やレベルによっても検討内容が変更するため、介護の状況がイメージできるように、具体的な状況の説明文だけでなく、介護の内容を絵や写真などで示す方法を追加し、実施方法の修正を行い、本調査の準備を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究の進捗状況として遅れているのは、平成28年年末から平成29年3月初旬まで、手術を含む病気療養のため、研究を進めることが困難であったことが影響していると考えられる。それまでは予備調査を実施し、順調に進められていたが、平成29年4月以降も体調が不良のことが多くみられたため、予備調査の分析やまとめが進まない状況が続いたため、当初予定していた本調査に進むことができず、研究を計画的に進められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成28年に実施した予備調査の結果や実施方法の改善点を修正したものをもとに、本調査を実施する。研究対象者は長野県看護大学主催の水中運動講座に参加している高齢者12名に、研究の説明及び同意を得た後、研究対象者それぞれに、「基本調査」と「個別面接調査」を半構造化面接法にて実施する。その後、「高齢者同士での語り合い(6カ月間)」の実施として老いや介護、終末期の医療やケアに関するテーマについて語り合うのを6ヶ月間(月1回/全6回)実施する。語り合いは1グループ6名とし、2グループに分けて実施する。その際には「高齢者同士の語り合い」の介入の効果を客観的に測定するために、3つの「心理測定尺度による評価」を、介入前・中・後と合計3回実施する。語り合い実施後は、毎回、研究者が研究対象者の「参加態度評価」を実施し、発言のまとまりや意思の表出、積極性、興味・関心の変化などを3段階で評価し、質的なデータと併せて意思形成の変化を客観的に評価する。データが収集できたところで分析を実施するが、「基本調査」のデータは記述統計にて集計し、「個別面接調査」はデータを逐語録に興し、要介護期、終末期の医療と生活に関する意思に関連する内容を抽出し、カテゴリー化し質的に分析をする。「高齢者同士の語り合い」はそれぞれのテーマ毎の高齢者の発言をカテゴリー化し、カテゴリー間の相互関係や関連要因、背景を心理測定尺度や「参加態度評価」の変化も併せて分析するところまでを平成30年度内に実施する。平成31年度はそれぞれの調査毎の分析を実施後は一人ずつ介入前中後で個別にデータを繋げてみていき、意思の具体化や変化の有無を丁寧に分析する。また高齢者間での類似性、相違性を検討しながら関連する要因や阻害する要因についても分析する。最後は研究全体の分析及び結果のまとめを行い、報告書の作成、論文投稿の準備を実施する。
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Causes of Carryover |
手術を含む病気療養のため、長期間研究に取り組むことができなかったことから、当初実施する予定だった本調査ができず、調査にかかる費用が未使用であったこと、また必要な物品の購入も一部行えなかったため、平成29年度は交付された研究費130万円のうちおおよそ25万を使用しただけであった。使用した中身はとしては、文具と予備調査の分析におけるスーパーバイズの謝金と交通費に使用した。 平成30年度は未使用額の約105万円と平成30年度の交付額60万円を合わせた額165万円を使用する。使用する項目としては、主には本調査の準備と実施のための費用(旅費、調査実施における経費)、その後のデータ分析(データ分析にかかる費用と旅費など)において、研究費を使用する計画である。
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