2017 Fiscal Year Research-status Report
都市部無縁社会における社会的孤立予防プログラム・地域ネットワーク構築に関する研究
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17K12437
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
杉浦 圭子 武庫川女子大学, 看護学部, 助教 (10563877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横島 啓子 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (50369469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 独居高齢者 / 社会的孤立予防 / 地域ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
都市部における独居高齢者の社会的孤立を予防するための基盤データとして、社会的孤立の程度とその状況における現在の感情のデータを2017年10月23日~2018年1月6日に収集した。調査方法は無記名自記式質問紙を用い、自宅玄関新聞受けに配布し、郵送にて回収した。調査対象は、個人情報保護の観点から、独居高齢者の住所を確定することが困難であったため、2017年10月23日現在、浜甲子園団地居住区に在住しているもののうち、民間マンション、空き家が多数存在する可能性の高い建替え部分の住居は除き、最終的に2,630戸すべてとした。回答は304件得られ、西宮市で把握されている独居高齢者数944人(世帯)から概算すると回収率は32.2%であった。このうち、65歳未満(9件、3.0%)、ほとんどの項目に回答なし(1件、0.3%)を除外した結果、分析に有効な回答が得られたのは、294件(96.7%)であった。 分析対象者の基本属性は性別は男性79人(27.0%)、女性214人(73.0%)、平均年齢は77.3±6.2歳(範囲65-93)だった。独居になった理由は「配偶者の死亡」が約半数で、もっとも多かった。離婚・未婚も10%程度みられた。また、約半数に近隣に親族が居住していた。外出頻度が週1回未満の社会的孤立状況の高齢者は0.6%だったが、昨年よりも外出頻度が低下していると回答したものが約4割存在し、年代が高い方が低下傾向を示しており、社会的孤立予備軍であると考えられた。社会的孤立状況や社会的孤立予備軍との現在の感情に関するデータとの関係性に関しては、現在解析中である。早急に分析を進行させ、本年度予定の日常生活活動量と他者との交流状況との関係を明らかにするデータ収集の基礎資料とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度の計画に従いPopulation Approachを行なった。調査対象者を社会福祉協議会の協力を得て、独居高齢者に焦点を絞り調査票を配布する予定であったが、個人情報保護の観点から個人の住居を特定せず、対象都市公団住宅に全戸配布とした。回収率の算定にあたっては、市町村から得られた調査票配布時の対象地域独居高齢者の数を母数とし、概算値を算出した。 2017年10月23日現在、浜甲子園団地居住区に在住しているもののうち、民間マンション、空き家が多数存在する可能性の高い建替え部分の住居は除き、最終的に2,630戸すべてとした。回答は304件得られ、西宮市で把握されている独居高齢者数944人(世帯)から概算すると回収率は32.2%であった。このうち、65歳未満(9件、3.0%)、ほとんどの項目に回答なし(1件、0.3%)を除外した結果、分析に有効な回答が得られたのは、294件(96.7%)であった。 分析対象者の基本属性は性別は男性79人(27.0%)、女性214人(73.0%)、平均年齢は77.3±6.2歳(範囲65-93)だった。独居になった理由は「配偶者の死亡」が約半数で、もっとも多かった。離婚・未婚も10%程度みられた。また、約半数に近隣に親族が居住していた。外出頻度が週1回未満の社会的孤立状況の高齢者は0.6%だったが、昨年よりも外出頻度が低下していると回答したものが約4割存在し、年代が高い方が低下傾向を示しており、社会的孤立予備軍であると考えられた。社会的孤立状況や社会的孤立予備軍との現在の感情に関するデータとの関係性に関しては、現在解析中である。早急に分析を進行させ、本年度予定の日常生活活動量と他者との交流状況との関係を明らかにするデータ収集の基礎資料とする。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、Population Approachにより得られた分析結果を基礎資料として、第2段階の基盤データの「独居高齢者の日常生活活動量や他者との交流状況を把握する個別アプローチ(Personal Approach)」を行なう。Personal Approachとしては、質的帰納的因子探索的デザインおよび量的調査デザインの混合研究法を用い調査を行なう。調査対象者は都市近郊ベッドタウンに居住する独居高齢者10名程度とし、Population Approachの際の協力者であった都市公団住宅の自治会の構成員や老人会などの担当者より紹介を受ける。研究者が研究の趣旨、方法の説明に訪問し、同意の上実施する。1回の対象者は5名とし、2週間の調査期間を2回繰り返す。調査項目は①基本属性、家族構成、Keypersonの有無(質問紙により把握)、他者との交流頻度、交流内容(対面・非対面、電話、インターネット、手紙、イベントへの参加等)②交流の時間帯等(日々自分で記録する形式での調査)、日常生活活動量(オムロン製活動量計使用)とする。基本的に計画書からの変更点は存在しない。
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Causes of Carryover |
使用するテキストマイニングのソフトを性能から判断し購入予定だったソフトの販売会社を変更した。さらに、質問紙の送付を全戸配布としたが、配布ボランティアが招集できたこともあり、郵送費が削減でき、今年度予算に余剰が生じた。 余剰分の次年度使用額に関しては、次年度分として請求した額を、本年度の詳細な分析費用に充てるとともに、分析結果の公開に際しての旅費などに使用したいと考えている。
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Research Products
(1 results)