2019 Fiscal Year Research-status Report
都市部無縁社会における社会的孤立予防プログラム・地域ネットワーク構築に関する研究
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17K12437
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
杉浦 圭子 武庫川女子大学, 看護学部, 講師 (10563877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横島 啓子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (50369469)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 社会的孤立 / インフォーマルサポート / ICTを利用した高齢者との交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市近郊に存在する大型公営団地の独居高齢者の孤独感に関する質問紙調査の結果から、近隣に家族・親族が居住している場合、居住していないものに比べて、孤独感の総合得点が低く、特に「周りから取り残されている気がする」「自分は人との付き合いが少ないと感じる」の項目で点数が低かった。また、主観的健康観も同様に有意に点数が低かった。近隣に家族・親族が居住していない独居高齢者は、現時点では、ADL/IADLは自立し、認知機能の低下もみられず、外出頻度も週1回以上は保たれており、社会的孤立の状態には陥っていないと考えられるが、孤独感そのものは循環器疾患のリスクを高め、今後ADL/IADLや認知機能が低下し、健康度がさらに低下した場合、迅速に対応できるためにはどうしていくべきかを本人とともに考えていく必要性があると思われる。更に家族・親族以外に利用しやすいFormal/Informalサポートの有無を確認し、サポートが得られにくい独居高齢者に対しては健康度や介護の必要性の程度などモニタリングを行い、高齢者が利用しやすい地域ネットワークシステムの構築が必要であると考えられた。以上の結果を2019年8月に行われたInternational Family Nursing Association(ワシントン)の国際学会にて発表した。 Personal Approachとしての、高齢者とのInternet Communication Technologyを利用した交流では、5名の高齢者に対し、タブレットを使用して交換日記形式でやり取りを行った。交流後のインタビューでは、交流そのものが楽しかったと発言していたが、うち2名はタブレットの操作等に困難を感じ、予定2週間のうち1週間で交流を中断となった。うち1名は手指に軽度の障害があり、細かい作業となるタブレット操作は困難なケースも存在することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Population Approachの質問紙調査の分析は、当初着目していた「独自指向性」と社会的交流の頻度、孤独感の関係の解析を進行中である。 しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、学会が中止となり、発表の場が制限されたり、タブレットによる高齢者の交流をあと2ケース予定していたが、対面での接触を制限されている昨今においては、研究が中断している状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
学会発表に関しては、オンラインで行われる学会へ積極的に発表できるようにする。 タブレットを利用した高齢者との交流については、オンラインや電話で調査を承諾していただける対象者を社協や集い場の職員に協力を仰ぎ、ケースの収集に努める。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加が、通常業務と重なり参加できなかったことが理由の一つとして挙げられる。 今後の計画として、可能な限り学会参加をし、発表の機会を増やすとともに、高齢者との交流の対象者のリクルート、実験の遂行、質問紙調査の論文化、投稿を行い、旅費や謝金、投稿料として費用を使用する。(ただし、新型コロナウイルスの感染拡大の状況に大きく左右される可能性がある)
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Research Products
(2 results)