2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Self-Monitoring System for Elderly People with Dementia Using a Robot
Project/Area Number |
17K12438
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
横島 啓子 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (50369469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 圭子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10563877)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | コミュニケーションロボット / 認知症高齢者 / セルフモニタリング |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は施設入所中の認知症高齢者に対して、コミュニケーションロボットを用いて生活を振り返ることが認知機能の向上に効果があるかを検証した。対象は有料老人ホームのケアセンター入居中の高齢者12名とした。コミュニケーションロボット(Chapit)の伝言機能を利用して、施設の日課に基づき、「ごはん食べた?」等、生活リズムに応じた問いかけや、普段歌っている歌、体操、じゃんけんなどの声掛けを設定した。利用期間は4週間とし、共有スペースのテーブル3台にロボットを3体設置した。評価は包括的BPSDケアシステム評価表を用い職員による評価を得た。さらに調査終了後職員から聞き取りを行った。 協力者は97歳から86歳(平均年齢88.5歳)の女性で、認知症高齢者日常生活自立度判定Ⅲ:6名、Ⅳ:5名、M:1名であった。包括的BPSD項目の中で、2名「食事」嚥下が改善したが、他の全ての項目においてロボット使用前後の変化はみられなかった。職員からの聞き取り結果、ロボットに「かわいい」「歌が上手ね」と言って最初は全員が笑顔で関心をもっていたが、時間ごとの声掛けの内容を理解することは難しく、職員の介入により返答する状況であった。またロボット同士が反応して「なあに?」「歌を歌おう」と繰り返すため、午後の休息時間も休めない方がいた。対象者全員が4週間後認知症の症状の悪化はみられておらず、これは生活リズムに応じた会話やレクレーションプログラムの設定により生活にメリハリができた効果の一つといえる。その中でも嚥下機能の改善は、ロボットを見て言葉を発すること、歌を一緒に歌うことの効果によるものといえる。協力者は全員が85歳以上であり、自立度も低いことから、活動と休息のバランスをとる必要がある。短時間ロボットと関わるよう設定することが、入居者の疲労によるBPSDの発症を予防することにもつながると考える。
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Research Products
(2 results)