2017 Fiscal Year Research-status Report
精神科訪問看護におけるメタ認知トレーニング(個人用)の介入による効果の検討
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17K12446
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
則包 和也 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (00342345)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多喜代 健吾 弘前大学, 保健学研究科, 助手 (00782799)
川添 郁夫 弘前大学, 保健学研究科, 講師 (80624741)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 認知 / 統合失調症患者 / 訪問看護 / 地域生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
実習施設として協力を得ているA精神科病院院長と同病院訪問看護ステーションスタッフに本研究の主旨を説明し、協力の同意を得た。その後、同スタッフにメタ認知トレーニングプラス(本研究で使用するツールであり、統合失調症をもつ人のメタ認知の改善を目的として開発された:以下、MCT+)の概要、実施方法の説明会を2回に分けて行い、MCT+の実施について質疑応答を行った。 現在、訪問看護の利用者2名に対して、スタッフと研究者が同行訪問して研究に関する説明を行い、本研究への同意を概ね得ている。MCT+実施に必要なノートパソコンの購入も済ませ、利用者の主治医の承認後、速やかに実施予定である。 2017年6月に第27回日本精神保健看護学会にて“語りを促す「メタ認知トレーニング」で患者さんの心を軽くしよう!”をテーマとしてワークショップを開催し、本研究で使用するMCT+を精神科看護に携わる専門家に紹介し普及啓発に努めた。 2017年11月にWFMH(世界精神保健連盟)の国際学会がインドのニューデリーで開催され、本研究者は「地域で生活をする統合失調症患者に対するメタ認知トレーニング+の効果検討」をタイトルとしたポスター発表を行った。これは本研究につながる「地域生活を行う統合失調症患者の再発を予防する日本語版ソフトの作成と開発」(基盤研究(C)2014~2016、本研究者代表)の研究結果を発表したものであり、主にインドの研究者らとMCT+や統合失調症患者への認知へのアプローチについて情報交換を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現時点で、本研究の実施体制は整っており、いつでも実施できる状態であるが、訪問看護利用者(対象者)の事情(家庭環境の変化、引越し、症状の変化等)により、本研究への協力の意思があっても実施できない状況になる等、予定通りに進展しないことが少なくなかった。また、利用者に関わる多職種専門家から、実施直前にMCT+についての説明を求められることがあった。これは極めて当然のことであり、事前に十分な説明を行うことが課題として挙げられた。
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Strategy for Future Research Activity |
多くの職種が関わる本研究では、多職種の専門家との連携を密にしながら進めていくことが重要であることを再確認している。利用者、家族、訪問看護師、主治医、デイケアスタッフ、施設長等との情報共有と調整をしながら、対象者となる利用者、および、MCT+の実施者となる訪問看護師の精神的負担を十分に考慮することが重要である。 これを踏まえながら、A病院で対象者の確保に努め、その後は他施設での協力依頼をする予定である。
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Causes of Carryover |
先述のとおり、29年度は対象者(精神科訪問看護利用者)へのMCT+の実施ができなかったことから、計上していた謝金を支払わなかったため、次年度使用額が生じたものである。 次年度使用額と30年度の助成金と合わせて、MCT+の実施に伴い、対象者および研究協力者への謝金として、随時支払う予定である。
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