2017 Fiscal Year Research-status Report
精神科訪問看護における専門職者の暴力曝露リスク要因と暴力対策ガイドラインの開発
Project/Area Number |
17K12453
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤本 浩一 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (20467666)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣田 美里 神戸大学, 保健学研究科, 助教 (70595488)
グライナー 智恵子 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (20305270)
橋本 健志 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60294229)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 暴力 / 精神科訪問看護 / リスクファクター |
Outline of Annual Research Achievements |
まずは文献検討によって、精神科訪問看護(あるいは類似する医療サービス)における専門職者の暴力曝露に関連する要因を抽出した。 具体的には、和文は医中誌Web、英文はMEDLINE, CINAHL, PsycINFO, ERIC, PsyARTICLESといった文献データベースに、キーワードを組み合わせた検索式を入力し、検索を行った。実績報告作成時点で830件が該当し、タイトル・アブストラクトのチェックから、精神科訪問看護あるいはHome-Health Care settings、Community Care settings、Community Mental Health Care settingsにおける専門職者の暴力曝露とそのリスクファクターに言及している、と考えられた21件の文献を精読した。その結果、7件が統計学的解析をもとに「患者に暴力歴があること」「精神状態の不調/増悪状態にあること」「患者に薬物乱用歴があること」「ケア提供時に患者との身体的接触があること」といったリスクファクターを示した。
次に、精神科訪問看護に携わる専門職者を対象としたインタビュー調査を実施した。具体的には、6名の研究対象者に精神科訪問看護における暴力曝露に関連する要因を質問し、その音声データを質的に分析した。その結果、「医療・病院・医師への不満」「攻撃的・衝動的な患者の性格傾向」「患者の孤独」といった患者要因、「看護師のマンパワーの不足」といった管理要因、「対象理解の不十分さ」「暴力のリスクへの認識の不十分さ」といった看護師要因、「患者と家族の不和」「患者を取り巻く周囲との交流の少なさ」といったその他要因が抽出された。 精神科訪問看護における暴力曝露は、患者と専門職者の間の不適応反応に引き続いて生じており、不適応反応を引き起こしうる要因としてリスクファクターを整理する必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定している文献検討の終了に、若干の時間を要する。 また、抽出した要因の概念定義と概念構成について、研究分担者間での討議がまだ十分とはいえない。
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Strategy for Future Research Activity |
予定している文献検討、ならびに抽出した要因の概念定義と概念構成に関する研究分担名者間での討議について順次遂行し、平成30年度の研究計画の遂行に移行する。
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Causes of Carryover |
平成30年度は調査票を用いたアンケート調査を予定しており、この調査票の配布・回収を業者に委託する予定である。十分な調査票の配布数と回収集を得るために、平成29年度の予算執行については節約に努めた。
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