2017 Fiscal Year Research-status Report
要介護高齢者と家族が在宅介護を選択した時にもたらされる潜在的経済価値
Project/Area Number |
17K12460
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
本田 歩美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (30732341)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 純久 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90244053)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 在宅介護 / 仕事と介護のspillover / 介護の経済価値 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、仕事をしながら高齢者を在宅で介護している家族を対象に、介護保険制度における居宅介護サービスを利用することによって家族介護者の介護負担はどのくらい軽減するのか、家族介護者にどのような利益(就労継続、精神的・身体的健康状態の改善)がもたらされるのか、介護が家族介護者の仕事や生活に与える影響を明らかにする研究である。 平成29年度は居宅介護サービスを利用している高齢者をもつ家族介護者を対象に、質問紙800部を配布し、568人から回答を得た。調査は順調に進んでおり、すでにデータ収集およびデータ入力は完了している。現在、家族介護者および要介護高齢者の生活・健康・経済状況に関するデータ、介護状況と居宅介護サービス利用に関するデータを集約したデータベースを作成中である。 本研究のテーマは「要介護高齢者と家族が在宅介護を選択した時にもたらされる潜在的経済価値」である。過疎、高齢化、家族の脆弱化が著しく進展している僻地および離島地域における介護施策の基盤データを構築し、本研究の成果を最大限に引き出すため、ペンシルバニア州立大学のSteven.H.Zarit先生と研究打ち合わせを行っている。 また、介護が家族介護者の仕事や生活に与える影響、家族介護者の精神的健康状態について分析し、得られた結果は2018年11月に米国(ボストン)で開催されるThe Gerontological Society of America (GSA)において「Spillover effect of work and caregiving in family caregivers of community-dwelling elderly relatives」というタイトルで学会発表する予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に計画していたデータの収集、データ入力は完了し、データベースの作成も順調に進んでいる。データ解析にむけた準備も整えており、研究は計画どおりに順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
介護保険制度における居宅介護サービスの利用状況と家族介護者の介護負担との関連、介護が家族介護者の仕事や生活に与える影響、家族介護者の精神的健康状態について統計解析を進める。また、平成27年度および28年度に実施した施設介護調査(施設入所している高齢者をもつ家族介護者への調査)で得られた結果と平成29年度に実施した在宅介護実態調査から得られた結果をもとに、介護が家族介護者の仕事や生活に与える影響、家族介護者の利益と介護負担との関連、家族介護者の精神的健康状態について比較検証を行う予定である。研究成果は随時、学術論文および学会発表を通して公表する予定である。
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Research Products
(4 results)