2017 Fiscal Year Research-status Report
重度難病患者における3Dソフトを活用した災害時対応訓練プログラムの開発
Project/Area Number |
17K12466
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
今福 恵子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (80342088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 俊文 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (60566066)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 重度難病患者 / 災害支援マニュアル / 仮想空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、重度難病患者に対する、災害対策に有用な「重度難病患者における災害時対応訓練プログラムの開発」を目的に、3次元(3D)ソフトを活用した家庭内DIGと仮想現実(VR)空間体験と簡略化した訓練シート開発、訓練実施を含め、4年計画で取り組むものである。 当該年度は、文献検討や企業展示等で難病患者の災害対策や、VRについての情報収集を行った。文献から現在の被災地の現状等情報収集することができた。VRについては、VR酔いの原理や、最新のヘッドマウントディスプレイでの体験を行ったことで、難病患者に応じた倫理的配慮が必要であること、Mixed Reality(MR)は手で掴む動作も入るため、(作業)訓練に適している。また、場所の移動時にVR酔いが生じやすいが、ポインター活用で酔いは起きなかったことを体験から学べた。 しかし重度難病患者の場合、上下肢の運動障害からポインターの利用ができないためVRの安全な活用を目指して、3DソフトやVR機器を選定する必要がある。そのため現在は、重度難病患者の状態に応じた3Dソフトや体験等を通し、企業の検討を進めている。 災害時対応訓練プログラムの開発については、学会発表から訪問看護師が日頃の業務の際に人工呼吸器等のチェックや家族への支援を行っている情報を収集できた。災害を身近に感じてもらうための工夫が必要であり、今後は具体的な内容や、観察ポイント・指導ポイントについて聞き取り調査等を行うことで、プログラム開発に役立てたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、重度難病患者に対する、災害対策に有用な「重度難病患者における災害時対応訓練プログラムの開発」のため、3次元(3D)ソフトを活用した家庭内DIGと仮想現実(VR)空間体験と簡略化した訓練シート開発、訓練実施である。 初年度となる29年度は、VRの安全な取り扱いや、3DソフトやVR空間体験ができる企業についての検討を行っているため、31年度では難病患者宅の再現をVRで行えるよう企業や3DソフトやVR機器が決定できると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は、重度難病患者に対する、災害対策に有用な「重度難病患者における災害時対応訓練プログラムの開発」のため、3次元(3D)ソフトを活用した家庭内DIGと仮想現実(VR)空間体験と簡略化した訓練シート開発、訓練実施に取り組むことである。 これまでの調査・分析の結果から見出された今後の研究の推進方策は、次の2点である。 1)3次元(3D)ソフトを活用した家庭内DIGと仮想現実(VR)空間体験;3Dソフト、VR機器等企業の選定を行う。難病患者宅の環境から、必要なコンテンツの選定を行う。また、人工呼吸器・外部バッテリー・ベッド・照明・吸引器等難病患者に即した家電をDIG上に作成するため、対応できるソフトやコンテンツが必要である。医療機器についてコンテンツがある企業を検討する。 2)災害時対応訓練プログラムの開発について;簡略化した災害時対応訓練シート開発を行う。難病患者の介護者の負担を考慮し、災害マニュアルのように書き込む内容が多すぎないよう、簡略化でき、なおかつ災害時に対応して日頃から確認が継続できるシートを開発する。また訪問看護ステーション職員から、専門職によるシート記入が可能になるよう助言をいただき、作成に着手する。
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Causes of Carryover |
被災地の難病患者に関する関連施設への視察及びヒアリング調査を当初計画していた。当該年度の必要経費は、これにかかわる旅費と、インタビューデータを必要に応じ逐語化するための費用、VR体験にかかわる物品購入を予算化した。しかし、難病患者に関する関連施設との調整ができず、予定していた調査が削減され、その結果旅費や調査に関する差額分が生じた。
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