2017 Fiscal Year Research-status Report
精神科看護職のリカバリー志向性と楽観性の特徴及びリカバリー教育プログラムの構築
Project/Area Number |
17K12477
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Research Institution | Okinawa Prefectural College of Nursing |
Principal Investigator |
藤野 裕子 沖縄県立看護大学, 看護学部, 教授 (00259673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 裕二 佐賀大学, 医学部, 講師 (30535753)
楠葉 洋子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (90315193)
中村 眞理子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 准教授 (60645349)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 精神科 / 看護師 / リカバリー志向性 / リカバリー / 楽観性 / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は次の4つを研究目的としている。①看護職のリカバリー志向性(使用尺度:RAQ-7)の特徴及び関連要因を明らかにし,RAQ-7の有用性を検討する。②精神科に勤務する看護職のリカバリー支援における楽観的捉え方を明らかにする。③リカバリー志向性を高める教育プログラムを構築する。④精神障害者のリカバリー促進を目指し,楽観的発想の転換を狙った支援のあり方を検討する。 本研究に先行して,4つの精神科病院の看護師434人に質問紙調査を行い,リカバリー志向性の関連要因を分析した結果,明確な結果が出なかった。そこで,本研究開始にあたって,調査項目や尺度を見直し,1つの精神科病院の看護師286名に追加調査した。RAQ-7を従属変数として重回帰分析を行った結果,「リカバリー知識;RKI」「リカバリーに関する情報の必要性」「肯定的態度」「楽観性;【気楽さ】」の4項目が,有意な影響力を持つ変数として採択された(調整済みR2 0.205)。看護師の教育や実践経験がリカバリー志向性の促進要因に繋がると予想したが,採択されなかった。欧米に比べリカバリー概念の普及が遅れ,未だリカバリーに関する研修が浸透していないことが反映した可能性がある。また,リカバリー概念に基づいた支援経験のある人が11.9%と非常に少なかったことが検討課題となった。 以上の経緯を踏まえて,本研究の初年度(平成29年度)は,主に②の目的に関して,見直した調査項目を用いて,2つ目の精神科病院の看護師79名から回答を得た。今後は,合わせて365名の看護師のデータを分析すること,海外の文献検討をすること,看護師に実情について聞き取りをした上で,我が国の精神科医療・看護の実情に合わせた調査項目を,丁寧に検討・精選する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2017年11月以降,研究代表者が体調不良のため,研究分担者との研究打ち合わせ会議が予定通り進まなかった。当該年度(平成29年度)に予定していた研究実施計画5項目中,2項目の調査項目の検討の打ち合わせ会議が十分にできていないため,次年度の課題として持ち越している。
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Strategy for Future Research Activity |
1.当該年度(平成29年度)の研究実施計画のうち,調査項目の再検討について,今後優先事項として,次年度(平成30年度前半期)に取り組む。 2.対象者数の確保については,順調に調整が進んでおり,現在2つの県で2箇所の精神科病院で内諾を得ている。引き続き機縁法を用いて,協力機関の依頼・要請を進める。 3.1のアンケート調査項目とインタビューで問う項目について,検討・選別し,総合的な視点から,調査項目を再検討する。 4.上記を円滑・効果的に進めるために,文献検討を継続する。
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Causes of Carryover |
2017年11月以降,研究代表者が体調不良のため,予定していた研究打ち合わせ会議ができなかったため,旅費相当額が次年度使用額として生じた。加えて,会議内容として,海外文献の検討が残され,翻訳料の使用が少なかったことが理由である。 次年度は,会議場所を適宜検討・変更し,打ち合わせ会議を計画的に遂行する。また,研究打ち合わせ会議を代表者及び分担者のどちらの場所でも開催できるよう計画する。そのため,今年度繰り越した使用額を含め,分担研究者の旅費に相当する分担金を増やし対応する。
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Research Products
(2 results)