2017 Fiscal Year Research-status Report
一人在宅死を可能にする訪問看護アセスメントツールの開発
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17K12483
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Research Institution | Tohto College of Health Sciences |
Principal Investigator |
關 優美子 東都医療大学, ヒューマンケア学部, 准教授 (50522778)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生野 繁子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40249694)
森山 恵美 松蔭大学, 公私立大学の部局等, 講師 (50515856)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 一人暮らし / 訪問看護 / 在宅死 / アセスメントツール |
Outline of Annual Research Achievements |
昭和時代は世帯構造の中で三世代世帯の割合が一番多く、全体の半分程度を占めていたが、平成時代に入ると夫婦のみの世帯が一番多くなり、単独世帯と合わせると半数を超えた。世帯数の減少、高齢化の進行、未婚者の増加、医療費の抑制に伴い、一人暮らしの在宅療養者が増加している状況である。要支援から看取りまでの在宅療養者を支えるためには、一人暮らしの在宅療養者を最後まで支える訪問看護アセスメントツールの開発が必要である。このアセスメントツールによって、自宅で一人暮らしの療養者が訪問看護を利用して最後を迎えられることは、満足感が高まる可能性がある。したがって、孤立しがちな一人暮らしの在宅療養者を最後まで支える訪問看護アセスメントツールの開発を行なうことを目的として、一人暮らしの在宅療養者にインタビューと訪問看護師にアンケートを現在も継続している。 さらに、各地の訪問看護ステーションに出向き、管理者から地域の特性などについてのレクチャーを受けた。交通の便の良い地域(人口密度の比較的高い所)では、その地域に病院や訪問看護ステーション、デイサービス、保健福祉施設、老人福祉施設などが近くにそろっていた。しかし、離島や冬に雪深い地域では訪問看護師が訪問していない地域や医療・保健・福祉などのサービスが無い地域もあり、地域差が大きいことが分かった。 また、過去にターミナル期で一人暮らしの在宅療養者に死亡までに3回インタビューを行った。訪問看護や訪問介護などを利用し、生活の質を落とすことなく本人の希望で無理なく生活できているケースであったため、インタビュー内容を文字に起こし分析し学会発表を行ったので、論文発表も予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一人暮らしの在宅療養者には本人の思いや不安などの精神面と疾患を持ちどのように生活をしているのか等、幅広くインタビューを行うことでモデルケースを作成する。 さらに、本人が一人暮らしで在宅死を希望した場合に、生活の質を落とすことなく最後まで在宅生活を継続するために、訪問看護師がどのような支援が必要か、「一人在宅死を可能にする訪問看護アセスメントツールのアンケート」と「モデルケースを作成するための具体事例のアンケート」を実施し、現在、継続中である。 1年間で訪問看護ステーションは全国6か所で、一人暮らしの在宅療養者の10人のインタビューを実施した。また、訪問看護師へのアンケートは20通の返信があった。今後も研究者グループの在宅ケアネットワークを利用し、調査を継続していく。
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Strategy for Future Research Activity |
今後(2年目)も引き続き、一人暮らしの在宅療養者の面接調査と訪問看護師のアンケート調査を継続し、モデルケースを作成する予定である。ターミナル期の一人暮らしの在宅療養者のインタビュー記録を分析し、論文にする予定である。 最終年度(3年目)は、収集した訪問看護師のアンケートや一人暮らしの在宅療養者のンタビュー内容を分析し、一人在宅死を可能にする訪問看護アセスメントツールの作成を行う。さらに、医療福祉関係者や地域住民にセミナーを実施し、一人暮らし在宅療養者の事例集を収集・作成する予定である。また、ホームページを立ち上げ、一人暮らしの在宅療養者の質問コーナーを設け、一人暮らしの訪問看護や訪問介護の利用方法など広めていく予定である。 一人暮らしの在宅療養者のインタビューが20名ほど終了した時点で分析する。学会発表と研究論文を予定している。
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Causes of Carryover |
共同研究者と海外視察に行く予定であったが、お互いの日程が合わずに次年度に持ち越しとなった。前年度に残った金額は、海外視察として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)