2019 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症者のきょうだいに向けた適応過程に基づいた教育プログラムの開発と検証
Project/Area Number |
17K12487
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
藤木 眞由美 目白大学, 看護学部, 専任講師 (50527455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
風間 眞理 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (20347371)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | きょうだい / 家族看護 / 統合失調症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合失調症者を抱えるきょうだいが、統合失調症とのかかわりで生じた葛藤から生活を再構築する過程(適応過程)を明らかにする。そして、きょうだいの生活の質を高められるよう、適応過程に基づいた教育プログラムを開発し、検証をする。このことにより、統合失調症者とその家族の生活の質を高めることに貢献する。 第一段階の計画(2017・2018年度)では、統合失調症者とのかかわりをもっているきょうだいにインタビューをし、統合失調症者を含めた家族関係、統合失調症者とのかかわりで生じた葛藤、葛藤から生活を再構築する過程、その過程で影響を与える要因などから、統合失調症者のきょうだいの適応過程を明らかにする。 第二段階の計画(2019・2020年度)では、第一段階の研究結果を基に、統合失調症者のきょうだいに向けた教育プログラムの開発をおこなう。兄弟姉妹会や家族会、施設を通して募集したきょうだいに実施する。実施したプログラム前後の変化を明らかにする。そして、統合失調症者のきょうだいの生活がどのように変化したか調査し、本研究の第二段階では、統合失調症者のきょうだいに向けた教育プログラムの検証を行うことを意図している。 2019年度からは第一段階の結果を基に、第二段階に移行する計画であった。2019年度は、第一段階のインタビュー10名分中のデータを分析を引き続き行っている。分析が終了しきれていないため途中結果ではあるが、残りのデータ分析を進め、速やかに分析を終え、第二段階に着手する。分析が遅れた理由としては、分析結果の裏付け、補強できるよう、精神障がい者のきょうだいを対象にしたアンケート調査の結果を再分析し、論文にまとめたことも影響している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第一段階の計画では、統合失調症者とのかかわりに適応しているきょうだいにインタビュー調査をし、統合失調症者を含めた家族関係、統合失調症者とのかかわりで生じた葛藤、葛藤から生活を再構築する過程、その過程で影響を与える要因などから、統合失調症のきょうだいの適応過程を明らかにすることである。 2019年度からは第一段階の結果を基に、第二段階に移行する計画であった。分析が終了しきれていないため途中結果ではあるが、統合失調症者を抱えるきょうだいの結婚に影響する要因などが明らかになりつつある。残りのデータ分析を進め、速やかに分析を終え、第二段階に着手する。分析が遅れた理由としては、分析結果の裏付けをより強めるよう、精神障がい者のきょうだいを対象にしたアンケート調査の結果を再分析し、論文にまとめたためである。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度においては、第二段階の「統合失調症者のきょうだいに向けた教育プログラムの開発」に関する研究に着する予定で、第一段階の分析を進めながら、第二段階の研究計画書の作成に着手していたが、新型コロナウィルス感染拡大に伴い、実施の困難さが生じ始めている。 当初は、教育プログラムをグループ学習的な方法を検討していたが、グループでの実施が困難な場合においては、これまでの教育プログラム方法を変更し、ネット環境で行えるように変更をすることで実現可能なのかを再検討する必要がある。そして、2020年4月の緊急事態宣言から在宅勤務にシフトしたことで、研究環境としては、整っているといい難い。 さらに2020年度の研究環境として、職場の教員が欠員状況であること、通常の授業から遠隔授業を急に取り入れることなど教育においての調整を要することが増え、研究より教育へのエフォートの配分率が高くなっている現状がある。そのため、研究着手が遅れてしまいがちであることも否めない。 そのため、2020年度は最終年度ではあるが、プログラム内容の作成や、文献検討、およびこれまでの結果を論文投稿する期間といった、新型コロナウィルス感染拡大の中でも進められることに取り組む。
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Causes of Carryover |
2019年度は、学会発表、論文投稿をしたが、国内発表であった。また、分析や研究計画書の着手の段階のため、研究費の使用が抑えられていた。 2020年度は、分析結果を海外で発表することを視野に入れているが、緊急事態宣言が出ており、新型コロナウィルスの感染状況次第であるが、研究実施に伴うとプログラム製作費、会場費、研究協力者への謝礼、データ解析費、海外発表であれば旅費など、研究費を要する。
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Research Products
(2 results)