2017 Fiscal Year Research-status Report
避難を余儀なくされた療養者に対する災害時相互協力を用いた看護支援モデルの構築
Project/Area Number |
17K12491
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Research Institution | Tokyo Kasei University |
Principal Investigator |
齋藤 正子 東京家政大学, 看護学部, 講師 (30738232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 真理子 日本赤十字看護大学, 看護学部, 非常勤講師 (00299950)
三澤 寿美 東北福祉大学, 健康科学部, 教授 (10325946)
立石 和子 東京家政大学, 看護学部, 教授 (80325472)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 災害 / 療養者 / 看護支援者モデル / 災害時相互協力協定 / 訪問看護ステーション / ネットワークづくり / 訪問看護師 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、平成26-27年度の研究成果を活かし、災害時の在宅療養者に対する看護支援モデルの構築に取り組んだ。この研究結果から、在宅療養を行いながら避難生活を送る療養者および介護者、担当する訪問看護師を対象とした面接調査を行い、その結果から災害時の在宅療養者に対する看護支援モデルを構築した。 本研究では、今回、最終目標を震災関連死の低減を目指し、構築してきた看護支援者モデルを研究の基盤とし、災害時相互協力を用いて、災害サイクル全てに関わる在宅療養者のニーズに対応できる訪問看護師の人材育成のためのシステム構築することを目的とした。 1年目の研究実績は、災害発生時の看護支援者モデルの有用性の検証を行った。具体的には、構築した災害時の看護支援者モデルについて、東日本大震災にて被災した宮城県の訪問看護ステーションの所長4人を対象とした研究会方式を用いたアクションリサーチを用いて、実践・検証を行った。この研究により災害時の訪問看護ステーション同士のネットワークづくりや人材育成に繋がった。 研究実施は、被災地の訪問看護ステーションの所長を対象とした研究会を6回実施、そのうちの1か所の訪問看護ステーションにて、スタッフを対象とした災害時の訪問看護の勉強会を1回実施した。結果は、研究会における研究参加者の発言や活動から①グループとしての変化、②組織的に生じた変化から、以下の4つのテーマが見出された。テーマ1【訪問看護師の災害時のリーダーとなる人材育成】、テーマ2【災害時の看護支援者モデルを用いた相互協力協定】、テーマ3【所長同士の話し合いやケアの可視化・言語化ができる場】テーマ4【「連携」と「顔の見える関係」】が導きだされた。平成30年度に看護系学会にて発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度より4年間で、「避難を余儀なくされた療養者に対する災害時相互協力を用いた看護支援モデルの構築」を行う予定であるが、1年目にあたる平成29年度は、予定通り実行できた。具体的には、被災地の訪問看護ステーションの所長を対象とした研究会を6回実施、そのうちの一か所の訪問看護ステーションにて、スタッフを対象とした災害時の訪問看護の勉強会を1回実施した。これらの結果から分析を行い、論文(東京家政大学大学院にて博士論文)を作成した。4年間の研究の主幹となる災害時の看護支援者モデルによる訪問看護ステーション同士の「災害時相互協力協定」を締結しシステム構築することの拡大にあたり、被災県である宮城県そして全国に普及するために重要な方向性を示す内容であった。以上のことから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度同様に訪問看護ステーションの所長を対象とした研究会方式を用いたアクションリサーチを年6回、スタッフを対象とした災害時の訪問看護の勉強会を1回実施する予定である。 今後は訪問看護ステーション同士のネットワークシステムを拡大することを考えている。具体的には、東日本大震災で被災した福島県や岩手県、さらに熊本地震で被災した訪問看護ステーションを対象とする予定である。拡大するにあたり、研究会方式のアクションリサーチを用いる予定である。 この研究会にて「災害時相互協力協定」締結を図り、防災・減災力を強化できるか評価する。地域特性を踏えて、災害時の訪問看護師の人材育成を行い、震災関連死を低減させることが可能かどうか明らかにする。 また、研究成果を平成30年度に学会発表、論文投稿することを計画している。これらのことから研究を推進していく予定である。
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Causes of Carryover |
平成30年に研究対象者を拡大するための旅費、人件費、謝礼、学会発表に使用する予定です。
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