2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Support Tool to Encourage the Alcoholism Treatment in Specialized Hospital
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17K12492
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
伊藤 桂子 東邦大学, 看護学部, 教授 (40600028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 留伊 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (10469976)
真栄里 仁 独立行政法人国立病院機構(久里浜医療センター臨床研究部), その他部局等, 医長 (90560558)
宮城 真樹 東邦大学, 看護学部, 助教 (00595085)
後藤 喜広 東邦大学, 看護学部, 助教 (40758207)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アルコール依存症 / 総合病院の精神科病棟 / 治療介入支援ツールの開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、統合病院の精神科病棟で使用するアルコール依存症者治療介入支援ツールを開発し、その効果を検証することである。 アルコール依存症の未治療者は、身体疾患の治療で総合病院に入退院を繰り返し、事故や自殺未遂などによって救急搬送される場合も多く、生命の危機を脱したのちに精神科病棟に転科して治療を受けることになる。 このような現状から、我々が計画している具体的な研究項目は、①3次救急指定の総合病院の精神科病棟におけるアルコール依存症者の治療および支援の実態と課題を明らかにする、②総合病院の精神科病棟で活用するアルコール依存症者治療介入支援ツールの開発を行う、③開発した治療介入支援ツールを活用し、その効果を検証する、の3つである。 2019年度は3次救急指定の総合病院の精神科病棟に勤務する医療者9名(医師2名、看護師5名、精神保健福祉士2名)にインタビュー調査の結果をまとめ、19th Congress of the International Society for Biomedical Research on Alcoholism (ISBRA2018)にて発表した。また、論文を作成し投稿中である。さらに研究結果から、介入支援ツール開発のために必要なフィールド調査の準備を行った。2020年度は前年度までの研究結果から、介入支援ツール開発のために必要なフィールド調査を行う予定であったが、COVID-19感染症予防対策のため実施できなかった。今後も同様の状況が続くと考え、研究計画を変更して介入支援ツールの開発に着手した。共同研究者および研究協力を得る筑波大学インタラクション研究室と介入支援ツールの構成等についてディスカッションを重ねて、開発デザインを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の目的は、総合病院の精神科病棟で使用するアルコール依存症者治療介入支援ツールを開発し、その効果を検証することであり、2019年度に介入支援ツール開発のために必要なフィールド調査を3か所の大学病院で行った。2020年度はさらにフィールド調査を行う予定であったが、COVID-19感染症予防対策のため実施できなかった。 今後も同様の状況が続くと考え、研究計画を変更して介入支援ツールの開発に着手した。共同研究者および研究協力を得る筑波大学インタラクション研究室と介入支援ツールの構成等についてディスカッションを重ねて、開発デザインを作成した。 現在のところweb会議で介入支援ツールの開発を行っているが、新型コロナウイルスの影響からプレテストなどができない状況にあり、達成度は6割程度である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに明らかになった3次救急指定の総合病院の精神科病棟でのアルコール依存症の治療および支援の実態から、総合病院の精神科病棟におけるアルコール依存症者の治療に関する課題を考慮して、効果的な治療介入支援を検討し、介入支援ツールを開発する。 上記の検討結果から総合病院で活用できる治療者(医師や看護師など)用の介入支援マニュアルと患者が使用する介入支援ツールを作成することを予定している。考案した治療支援介入ツールは簡便に利用できるようにアプリケーションにする。その後、回復に取り組むアルコール依存症者を対象とした効果検証を行う。検証結果からアプリケーションの修正を行い、総合病院でアルコール関連問題がある患者を対象とした効果検証を行う予定である。 さらに、治療介入支援ツールの活用に関する勉強会を開催し、治療者によるフォーカスグループミーティングを実施することによって、実用に即したものに改変する。新型コロナウイルスの影響により、総合病院での調査等が難しい場合は、アルコール依存症専門治療施設でない精神科病院での実施も検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度は新型コロナウイルスの影響からフィールド調査やプレテストなどができない状況が生じたことにより、治療介入支援ツールの開発が思うように進まなかったため、必要経費の未使用が生じた。 次年度は治療介入支援ツール開発とプレテスト、データ解析のため使用する統計解析ソフトを最新のバージョンにするための保守契約更新で研究費を使用する。治療介入支援ツールは簡便に利用できるようにアプリケーションとするため、開発経費および検証に使用するデバイス等の使用物品購入に研究費を使用する予定である。 なお、新型コロナウイルスの影響により、総合病院での調査等が難しいため、まずは回復に取り組むアルコール依存症者を対象とした効果検証を行い、その後、総合病院でアルコール関連問題がある患者を対象とした効果検証を行う予定であるため、研究対象者への謝礼を研究費より使用する。さらに、治療介入支援ツールの活用に関する勉強会を開催や治療者によるフォーカスグループミーティングへの参加協力についても研究費より謝金を支払う。
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