2018 Fiscal Year Research-status Report
ひきこもり支援におけるファシリテーター養成を核とした親の会との連携システムの構築
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17K12495
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Research Institution | Niigata Seiryou University |
Principal Investigator |
斎藤 まさ子 新潟青陵大学, 看護学部, 教授 (50440459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 恵子 新潟青陵大学, 看護学部, 教授 (10410250)
田辺 生子 新潟青陵大学, 看護学部, 助教 (30524722)
内藤 守 新潟青陵大学, 看護学部, 准教授 (80410249)
小林 理恵 新潟青陵大学, 看護学部, 助教 (80581420)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ひきこもり / 親の会の運営者 / 高齢化家族 / 保健所調査 / 不登校 |
Outline of Annual Research Achievements |
子が思春期で不登校を体験した母親3名を対象とした面接調査を実施し、質的に分析したものを平成30年11月に開催された新潟青陵学会で発表した。テーマは「不登校が長期化するなかで母親が子どもを受け入れていく心理的プロセスと支援-自助グループに所属しない母親の場合」である。その後5名を追加して調査を行った。研究班5人でそれぞれの専門から次の研究を実施した。①ひきこもり親の会を新たに設立する人や次に引き継ぐ人が見つからない現状への対策として、親の会の運営について具体的で正しい知識を提供する必要があると考え、現在活動中の親の会の代表者4名に面接調査を実施した。今年度はそれを共同研究者とともに修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを使って分析した。②不登校からひきこもりへと移行する人が一定程度あることから、ひきこもり支援の視点から捉える不登校支援のあり方について3名の支援者に面接調査し、質的統合法(KJ法)を使って分析した。③8050問題と表現されているように高齢化した親とひきこもる子どもへの支援が急がれるが、長期にひきこもる子どもをもつ高齢化家族の実態を明らかにするために、65歳以上の母親2名に面接調査を実施した。以前2名に行っているため4名について質的統合法(KJ法)を使って分析した。④保健所におけるひきこもり支援の現状を把握するため新潟県内の保健所を対象に全数調査を実施した。回収率は48%であった。⑤ひきこもり経験者が出版する雑誌の内容を「人とつながる体験」の視点から質的に分析した。①-⑤は次年度に国際学会で発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
保健所調査を平成29年度に実施する予定であったが、保健所内でひきこもり支援をする部署の確認等に時間がかかったことや、学内の教育や業務との関連で今年度に食い込んだ。また、親の会の代表者への面接調査については、平成29年度にグループインタビューを数回実施しデータを集める予定であったが、代表者がそこで語れない、葛藤、困難感や不全感などを知る必要があると考え、個人面接に変更したことから予定通りに進まなかった経緯がある。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、精神看護学、老年看護学、地域看護学、教育心理を専門とする共同研究者が、それぞれの研究成果を9月で行われる第25回ICPMで発表予定である(すでに受理されている)。また、10月に新潟県内の行政やひきこもり支援機関に呼びかけて、ひきこもり家族会を立ち上げたいと考えている人や親の会の後継者となりうる人、現在は全く考えていないが家族の人を募集し、運営に関する学習会を開催する予定である。また、テキストとして、これまでの研究成果とともに、医学的視点からみたひきこもりについては精神科医に、現在活動する家族会の代表者、ひきこもり家族教室を開催している新潟県内の行政等からも執筆協力をいただき(了解を得ている)、それらを盛り込んだテキストを作成し学習会で使用する他に市町村に配布する予定である。
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Causes of Carryover |
新潟県内の保健所調査には、40万円計上していたが、実際は直接持参する、手持ちのレターパックを使う、回収率が予定より少ない50%以下で合った等の事情から10万円以下に抑えられたことや、研究成果の発表がずれ込んでいること、当初購入予定だった関連図書等が学内の図書館で対応できたことなどが挙げられる。
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Research Products
(1 results)