2018 Fiscal Year Research-status Report
精神科病院における統合失調症患者のターミナルケアの推進に向けた方略の開発
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17K12501
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
荒木 孝治 大阪医科大学, 看護学部, 教授 (40326286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瓜崎 貴雄 大阪医科大学, 看護学部, 准教授 (20584048)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ターミナルケア / 統合失調症 / 精神科病院 / 看護師 / 態度 |
Outline of Annual Research Achievements |
「精神科病院における統合失調症患者に対するターミナルケアの現状に関する実態調査」 2018年度は、前年度に実施した分析結果を、2題の演題(「精神科病院における統合失調症患者に対するターミナルケアの環境と看護師の態度との関連」、「精神科病院における統合失調症患者に対するターミナルケアの現状に関する看護師の思い」)にまとめて、日本看護科学学会第38回学術集会にて発表した。なお、前述した発表内容に基づいて論文を作成し、日本精神保健看護学会に投稿した。 「統合失調症患者に対するターミナルケアにおける看護師にとっての体験の意味に関する質的研究」 【目的】本研究の目的は、精神科病院で統合失調症患者に対するターミナルケアに携わった看護師の体験の意味を明らかにすることである。 【方法】便宜的標本抽出により、近畿圏の精神科病院のうち、ターミナルケアの対象となる統合失調症患者が入院されている可能性のある2施設の看護部長に対して研究協力を依頼する。協力の得られた施設で勤務する看護師(選定基準:統合失調症患者に対するターミナルケアに携わったことのある看護師、看護師としての臨床経験が10年以上あり、看護部長が本研究の対象として相応しいと判断した看護師)に対して、同意を得て質問紙調査と半構造化面接を実施する。質問紙の項目は①看護師の個人特性、②病棟の状況、③身体合併症看護に対する不安、④ターミナルケアの態度とする。面接は、臨床経験に基づく印象的な事例を想起するように発問し、対象者の気づきやその時の状況に注目して話を聞いていく。質問紙調査から得られたデータは、記述統計量を算出すると共に、③と④に基づいて対象者を群分けし、群毎に面接調査から得られたデータを、Giorgiの現象学的方法を用いて分析する。 【研究遂行状況】所属機関及び研究協力機関の倫理審査を受審し、2施設計13名の看護師に対して調査を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画調書に記した【研究遂行計画】では、データ収集とデータ分析を2018年9月~2019年8月に実施する予定としていた。研究協力施設の倫理審査を受審するための準備に時間を要したが、2施設計13名の看護師に対する面接調査をすでに終えた。但し、データ分析は着手したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
「統合失調症患者に対するターミナルケアにおける看護師にとっての体験の意味に関する質的研究」によって得られたデータの分析を行い、分析結果については学会発表と論文投稿を予定している。 また、「精神科病院における統合失調症患者に対するターミナルケアの現状に関する実態調査」と「統合失調症患者に対するターミナルケアにおける看護師にとっての体験の意味に関する質的研究」の研究成果を併せて、精神科病院でのターミナルケアの推進に向け方略を検討し提起する。
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Causes of Carryover |
前述のとおり、データ分析がやや遅れており、そのための費用が次年度使用額となっている。 次年度は、データ分析にかかる面接データの逐語録の作成、分析結果を保存するためのUSBなどの消耗品の購入を予定している。 また、英文校正費、国際学会・国内学会発表の旅費などを予定している。
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