2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K12502
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
山本 智津子 摂南大学, 看護学部, 講師 (30511589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 祥子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (90347625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 生活のしづらさ / 地域生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30(2018)年度は、引き続き精神障害者(統合失調症者)の生活・訪問看護等で行われている具体的な看護援助内容・他職種も含めた必要としている援助内容等に関する文献検討や、地域で生活する精神障害者が活用している社会資源等について厚生労働省のホームページなどにより現状把握を行った。 それらと並行して、近畿圏内の就労移行支援事業所および就労継続支援A型事業所の施設長に本研究の趣旨等について文書を用いて説明し、対象者の紹介を依頼した。その後、施設長より紹介していただいた方に対して本研究の趣旨等について文書を用いて説明し、研究参加への承諾を得た9名にインタビュー調査を行った。インタビューの内容は、①現在の生活状況、②これまでの生活を振り返りながら実際に体験している生活のしづらさについて、③国や都道府県(市町村)の制度・政策から生じる生活のしづらさについて、④生活のしづらさへの対処方法、⑤対象者が求める支援内容とした。対象者は現在精神状態が安定している方を対象にインタビューを行ったが、対象者の体調に配慮するとともに、施設長(不在時は担当職員)にインタビューの前・中・後の状況(様子)を報告する等、連携しながら対象者にとって万全な体制で実施した。 その結果、日々の生活におけるしづらさだけでなく、制度・政策や、過去に体験した一般就労に基づいたしづらさなど、様々な観点から語りを聴取することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30(2018)年度は、引き続き本研究に関する文献検討や、地域で生活する精神障害者が活用している社会資源等についての現状把握を行った。 また近畿圏内の就労移行支援事業所および就労継続支援A型事業所に通所している精神障害者(統合失調症)9名にインタビュー調査を実施し、予定していた対象者数に達したことからも、当初の研究計画に沿っておおむね順調に本研究が進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、データの文脈を重視し対象者の視点がデータの解釈に反映することが可能な木下(2007)による修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを参考とし、データ分析を行う。その際、分析過程において妥当性を保証するために、精神保健医療福祉の専門職(精神科医師・保健師・精神科看護師・精神保健福祉士)や質的研究の経験のある研究者によるスーパービジョンを受けながら進めて行く。
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Causes of Carryover |
平成30(2018)年度は9名にインタビューを実施したが、遠方であってもできるだけ調査は日帰りとし、在来線を使用するなど経費節減に努めた。また本研究に関する学会や研究会に業務(授業や実習等)によりあまり参加できなかったことも、要因として考えられる。 2019年度は本研究に関する学会や研究会等に参加し、精神保健医療福祉の専門職(精神科医師・保健師・精神科看護師・精神保健福祉士 等)と意見交換を行うことや、質的研究者からスーパーバイズを受け、学会発表や論文作成する。
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