2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K12502
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
山本 智津子 摂南大学, 看護学部, 講師 (30511589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真野 祥子 摂南大学, 看護学部, 准教授 (90347625)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 統合失調症 / 生活のしづらさ / 地域生活支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
精神障害者(統合失調症者)が体験している生活のしづらさの実態を把握し、地域生活支援のあり方を提言することを本研究の目的としており、昨年度は就労している統合失調症者が体験している生活のしづらさについてインタビュー調査を実施した。 そこで今年度は、データの文脈を重視し、対象者の視点がデータの解釈に反映することが可能な分析方法として、木下(2007)による修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを参考にして分析を行った。データ分析は、①逐語データを概観したうえで、「生活のしづらさ」に関連のある文脈に着目し、その意味を表現する言葉である概念を生成する。概念を生成する際には、概念名、概念の定義、概念を支持する語り、理論的メモを記入する分析ワークシートを作成する。②複数の概念の関係からなるカテゴリーを生成するといった手順で行った。その際、質的研究の経験のある研究者によるスーパービジョンを受けながらデータ分析を行った。また対象者が通所している就労継続支援 A 型事業所等の職員から、対象者の就労状況等について情報収集や意見交換を行った。 さらに、令和元年(2019)年度も引き続き精神障害者(統合失調症者)の生活・訪問看護等で行われている具体的な看護援助内容・他職種も含めた必要としている援助内容等に関する文献検討や、地域で生活する精神障害者が活用している社会資源等について厚生労働省のホームページなどにより現状把握を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和元年(2019)年度は、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを参考とし、研究者によるスーパービジョンを受けながらデータ分析を行った。 しかし、対象者が経験している生活のしづらさへの支援を考える上で多角的な視点での検討が必要であり、それらを行うため研究期間を延長したことから、当初の研究計画より遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年(2020)年度は、分析結果を総合的かつ多角的に検討を重ね、精神障害者(統合失調症者)に対する地域生活支援のあり方を提言する。 また、関連学会および申請者が所属している精神障害者に携わる専門職(保健師、精神科看護師、精神保健福祉士等)の研究会で意見交換を行い、それらを踏まえ学会発表や論文作成を行う。
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Causes of Carryover |
データ分析に時間を要したことや、本研究に関する学会や研究会に業務(授業や実習等)によりあまり参加できなかったことも要因として考えられる。 2020年度は本研究に関する学会や研究会等に参加し、精神保健医療福祉の専門職(精神科医師・保健師・精神科看護師・精神保健福祉士等)から意見聴取する予定である。
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