2020 Fiscal Year Research-status Report
在宅死を迎える患者を支援するために必要な看護能力に関する研究
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17K12508
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Research Institution | Himeji University |
Principal Investigator |
鈴木 千絵子 姫路大学, 看護学部, 教授 (30563796)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 在宅看護 / 訪問看護師 / 訪問看護ステーション / 看護師の能力 / 尺度開発 |
Outline of Annual Research Achievements |
【在宅死を迎える患者を支援するために必要な看護能力に関する研究】において訪問看護師による在宅死を可能にする看護支援とは何か,人を看取るための看護のあるべき姿を明らかにするために質的研究と量的研究を通して実証的に明らかにしたいと考えた。 これまでの質的データの調査結果について、看護師側が思う看取りにおいて必要な訪問看護師の能力として「訪問看護の特徴を理解する」、「家族を導く役割」、「家族との信頼関係をつくる」、「心構え」、「連携をもつ」が挙げられた(国際学会にて発表:23rd East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS) conference in Chiang Mai .2020.1)。一方で、家族側が訪問看護を利用した際に必要だと感じる能力として、「客観的な立場で環境の調整と指導」「連携と継続した管理」「相談と要望の実現化」「迅速な対応」「高度な技術」「丁寧な説明」「言い方や態度」「必要な技術の伝授」「雰囲気」が抽出された(成果の一部を投稿:姫路大学大学院看護研究科論究,第3号,55-65,2020.3)。 令和2年度の調査においては、これらの質的研究をもとに34項目からなるアンケート項目の作成および並存妥当性のための他尺度も合わせ全国調査を行った。北海道から沖縄までの全国の訪問看護ステーションから無作為抽出し1500か所に調査依頼し、回答のあった237か所からのアンケート用紙について現在分析中である。新型コロナ感染症の影響を受け、それぞれの訪問看護ステーションが大変な状況にある中での対応を余儀なくされ、研究としては予定より1年以上遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響を受けて、詳細な研究の打ち合わせ、アンケートの印刷や送付作業をスムーズに行うことが出来なかった。また、対象施設である訪問看護ステーションにおいても多忙を極め、そこに所属する看護師の方々に研究協力を得にくい状況にあった。さらに研究者自身の在宅ワークやリモート対応に追われて研究にかける時間が制限された。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、調査で得たデータから分析を行い、在宅での看取りのための訪問看護師に必要な能力とは何かを明らかにし、尺度の開発を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究予定が遅れたため、アンケート作成にかかる費用および発送のための費用が遅れて発生することとなった。さらに分析においても入力のための人件費が次年度発生することとなった。
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