2019 Fiscal Year Research-status Report
養護者による高齢者虐待未然防止介護状況評価票とコーピングスキルの開発
Project/Area Number |
17K12510
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Research Institution | Kansai University of Social Welfare |
Principal Investigator |
小野 ミツ 関西福祉大学, 看護学部, 教授 (60315182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 明子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20167430)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高齢者虐待 / 介護者 / 介護状況評価 / 対処 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究1.認知症の人を最期まで支えた介護家族の要因に関する研究 在宅で最期まで介護した家族の語りから、介護を継続できる要因を明らかにした。対象者は、在宅で認知症の人を最期まで介護した主介護者7人に半構造化面接を行った。その結果 、在宅で介護を最期まで継続できた要因は《身近に相談できる人がいる》《介護する覚悟ができる》《一緒に深水に向かって歩いてやればいい》という気持ちのゆとり、どんなに状態が悪くても《命の核は生きている》ことへの気づき、《全てを受け入れてくれる人の存在》《介護について知識を得る》《歌カフェの開設や参加》の7つのカテゴリーと14のサブカテゴリ―が抽出された。
研究2.介護者が自ら気づく介護評価の作成と対処方法の検討 介護者が自ら気づく介護評価表の作成と評価に基づく対処方法明らかにすることを目的としている。認知症の人を介護している主介護者を対象に家庭訪問による聞き取り調査を行った。その結果、男性22人、女性60人の計82名の主介護者から回答が得られた。要介護高齢者は、アルツハイマー型認知症が52人(63.4%)、日常生活自立度Ⅲ以上が71人(86.7%)、介護期間は平均75.9ヵ月、主介護者との続柄は、配偶者が41人(31.7%)、母親が20名(24.3%)であった。介護者が自ら気づく介護評価は20項目が抽出された。対処については20項目選定出来ている。研究2については、2020年度まで研究を延長し、介護者が自ら気づく介護評価を作成し、その対処方法について、さらに研究を深め有用性を検討することにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、研究計画に基づき研究を推進しているが、有用性の検証まで至っていません。本研究は、養護者による高齢者虐待未然防止介護状況評価票とコーピングスキルを作成し、実践の場での活用を目指しています。 本研究がやや遅れている理由は、データ収集及びデータの整理に時間を要したことである。本研究は、介護者が自ら気づく介護状況評価表の作成と対処(コーピング)方法の開発を目指している。研究方法は、認知症の人を介護している主介護者を対象に、介護状況や介護場面で困難な状況に直面した際の対処などを、家庭訪問で聞き取り調査を実施した。その結果、82名の協力が得られた。聞き取ったデータは、量的な解析と質的な分析を行う必要があることから、解答者別に逐語録を作成した。このため予定の計画より時間を要する結果となり、作成した評価表と対処について、有用性の検証まで出来なかったことから研究期間を延長し実施することにした。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題に対する進め方は、まず、作成した介護者が自ら気づく介護評価表の再検討を行う。介護者が自ら気づく介護評価表の作成に必要なデータ収集は、認知症の人を主に介護している家族(82名)を対象に家庭訪問などによる聞き取り調査は終了し、データの整理は終わっている。今後は、再度データの見直しや解析を行い評価表を完成させる。次いで、介護者が自ら気づく介護評価に対応し、介護者が実行できる対処方法を提示することにしている。2020年度まで研究を延長し、作成した介護評価表と対処方法の有用性を検証を行うことにしている。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、研究協力者の選定や調査データ収集やデータ整理に時間を要したことである。研究協力者は、認知症の人を介護している主介護者であり、家庭訪問による聞き取り調査を行った。その結果、82人から回答を得られた。得られた回答はすべて、逐語録を作成したため、多くの時間を要し、作成した介護評価表や対処について、検証することが出来なかった。 研究費の使用計画では、作成した評価表や対処について検証するために調査を実施することにしている。そのための旅費及び研究協力者への謝礼、調査データの整理などの人件費として使用することにしている。
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