2021 Fiscal Year Annual Research Report
development of a caregiving situation assessment scale and coping skills for elder abuse prevention to which caregivers themselves can attend
Project/Area Number |
17K12510
|
Research Institution | The Japanese Red Cross Kyushu International College of Nursing |
Principal Investigator |
小野 ミツ 日本赤十字九州国際看護大学, 看護学部, 教授 (60315182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 明子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 教授 (20167430)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 認知症高齢者 / 介護者 / 介護継続要因 / 対人距離評価表 / 高齢者虐待 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究Ⅰ:認知症者を在宅で最期まで介護した家族7人の語りから、介護継続要因を明らかにした。介護継続要因として5つのカテゴリーが抽出された。認知症の症状が重症化する中で、これまでの《背負っていたしがらみを捨てる》、要介護者の瞳に奥にある《深い悲しみへの気づき》ができることで、最期まで介護を継続したいとの思い《介護の覚悟》につながっていた。また、介護継続には、家族の会など自分の素直な感情を表出できる《受け入れてくれる人の存在》、介護役割以外の人とのつながり《社会とのつながり》を意識していた。介護継続要因は、背負っているしがらみを捨てる、介護の覚悟ができる、受け入れてくれる人の存在が重要であると考えられる。
研究Ⅱ:養護者による高齢者虐待未然防止介護状況評価表の検討を行った。対象は、認知症高齢者の介護者82名である。対象者に介護者の要介護者に対する心理的距離を投影法的に捉える「介護者に対する対人距離テスト」を実施した。対人距離テストは、食事の介助が必要です等の介護場面を設定し、部屋と見立てた四角な枠の中央に高齢者の姿を描いた図版に、介護者シールを自分が居たいと感じる場所に貼付するものである。対人距離は、図版の高齢者と介護者シール間の距離を測定し両者の関係性を明らかにするものである。対人距離テストでは、食事の介助が必要である等、積極的に要介護者に関わる必要がある場面で、高齢者から長い距離をとると短い距離をとるの2群に分類し分析した。その結果、長い距離をとる群は、非常に強い介護負担感がある(p<0.05)、介護が苦痛である(p<0.01)、介護者自身の健康状態がよくない(p<0.05)に有意な関連がみられた。対人距離評価表は、介護者の介護状況を反映することが明らかになった。対人距離評価表を用いて介護状況を把握し、早期にコーピングできたら、高齢者虐待の未然防止につながると考えられる。
|