2017 Fiscal Year Research-status Report
精神的看護ケアの質向上を目指したシミュレーション教育プログラム開発と評価
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17K12518
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Research Institution | Fukuoka jogakuin Nursing College |
Principal Investigator |
藤野 ユリ子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (90320366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 不二子 福岡女学院看護大学, 看護学部, 教授 (20326482)
田中 理子 九州大学, 薬学研究院, 特任助教 (20648480)
豊福 佳代 産業医科大学, 産業保健学部, 助教 (50737195)
平川 善大 福岡女学院看護大学, 看護学部, 助教 (90784819)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シミュレーション教育 / 看護教育 / 看護学生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、看護学生が精神的ケア場面で戸惑う状況の実態を抽出し、シミュレーション教育で活用できるシナリオ場面の検討を行った。精神的ケア場面の抽出のための国内外の文献検討を行い、精神的ケア場面でのシミュレーションを使ったコミュニケーショントレーニングには、段階的なトレーニングが必要であることがわかった。 精神的ケア場面のトレーニングの4段階は、第1段階【基本的なコミュニケーション技術のトレーニング】、第2段階は【医療コミュニケーショントレーニング】、第3段階【コミュニケーション障害のある方とのコミュニケーショントレーニング】、第4段階【精神症状を有する方との対応トレーニング】であった。精神的ケアのコミュニケーションの実践には、大学入学後より患者訪室場面を想定したシミュレーション教育を実施する必要性が示された。 第1段階の基本的なコミュニケーション技術のトレーニングは、患者訪室場面や挨拶、情報収集の段階である。第2段階では医療コミュニケーションとして、傾聴や共感などの技術を実践するために必要なスキルを身につける段階である。第3段階は、難聴や認知症などのコミュニケーションが取りづらい方との対応、これらの段階を経て、不安、幻聴、妄想など精神症状のある方との対応場面のシミュレーションプログラムを構成している。 現在は、それぞれの段階に必要なシナリオ場面を整理するために、看護学生に実習でコミュニケーションに困った場面のアンケートおよびインタビュー調査を実施するために現在研究倫理審査中である。学生からの意見を取り入れ、各段階に必要なシミュレーショントレーニングのためのシナリオの蓄積を行なっていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精神的ケア場面に対応できるコミュニケーション技術向上を目指したシミュレーション教育実践のためのシナリオを作成段階である。これまで、国内外の文献から精神的ケア場面に必要なシミュレーションプログラムの場面を4つの段階に整理され、学生からの意見聴取を行う予定である。しかし、インタビュー調査等の結果の整理まで至っていないため、シナリオの整理・蓄積がまだ十分にできておらず、系統化されたプログラムに至っていない。今後、必要なシナリオは作成し順次実践をしながらブラッシュアップしていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
新人看護師の早期退職の理由が人間関係を理由としたものが上位となっている。また、看護学生における臨地実習は、慣れない臨床現場で指導者、患者、グループメンバー、教員、主治医など様々な対象とのコミュニケーションに戸惑いを感じている。このような状況を克服するために、実習前のコミュニケーショントレーニングとして、第1段階の【基本的コミュニケーション】のシミュレーション場面を設定し、シミュレーション教育を取り入れ、その評価をしながら、プログラム形成を図っている。多様な世代との交流が少ない学生は、精神的ケアの技術を身につけるためには、患者の病床訪問、挨拶、情報収集の段階からの介入が必要であるため、現在は第1段階からのシミュレーション教育のシナリオを作成・蓄積している。 今後は、蓄積したシナリオのブラッシュアップや不足事項を検討するために、看護学生の実習でのコミュニケーションの戸惑い場面をアンケート調査やインタビュー調査により抽出し、プログラムの検討を行っていく。 看護学生が治療的コミュニケーションを実践するためには、段階的なプログラムの作成が必要性が明確となってきており、このプログラムの完成や公表をめざして今後の研究を進める予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)インタビュー調査に至らなかったため、謝金や分析用機器の購入に至らなかった。 (使用計画)調査準備は進んでいるため、今後調査に必要な謝金や分析用の機器を購入し研究を遂行する。
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Research Products
(6 results)