2018 Fiscal Year Research-status Report
避難所環境整備のための国際基準を日本・先進国版へ改定する取り組み
Project/Area Number |
17K12521
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
原田 奈穂子 宮崎大学, 医学部, 教授 (70637925)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
圓山 琢也 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 准教授 (20361529)
笠岡 宜代 (坪山宜代) 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 国際栄養情報センター, 室長 (70321891)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 災害 / 避難所 / 環境 / 健康被害 / スフィアスタンダード |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年IRB審査過程での遅延で実施できていなかったインタビュー調査を実施することができ、その中で指標の改定の基になるデータ収集を行うことができた。また指標改定に向けたエキスパートインタビューを重ねている。 本研究は計画時より研究進行中に災害が発生した場合、それまでの成果を提供することでオンタイムな研究成果の社会還元を想定している。2018年西日本豪雨災害被災地、特に岡山では過去の研究成果を被災地の看護職保健師職に提供することで、健康二次被害を軽減させることを目的とした取り組みを実践することができた。 また、その指標を試験的に利用して内閣府防災と地方自治体が行う大規模地震時医療活動訓練にて、宮崎県内で36機関と住民参画による避難所の環境改善訓練を行い、指標に対する参加者と住民からのフィードバックを受けることができた。 熊本地震で被害を受けた益城町仮設住宅コミュニティを中心に行った調査結果を論文化した。益城町は避難所環境整備のためにスフィアスタンダードを利用した自治体であるが、仮設住宅への入居遅延が約1か月遅延した世帯は部屋が狭いことが遅延の要因であることが明らかになった。一方で、遅延日数が短い世帯は生活再建に向けて自立的な意識を持つ世帯が多いことが明らかになった。 また、日本災害医学会で上記途中成果を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
スフィア基準の記載されているスフィアハンドブックが2018年11月に改定された。そのため、新しいハンドブックとの整合性を取るため本研究に必要な作業としてハンドブックの日本語版作成の作業を加えることになった。主任研究者は日本語版作成委員の委員長として本作業に参画し、旧版で最も批評の多かった英語直訳の読みにくさを解消し、より多くの人が災害現場、DRR計画策定時に役立つように分かりやすい和訳で書かれたハンドブック出版を目指した。日本語版は2019年10月に出版される予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ハンドブック和訳に携わったため変更点などは10月の出版を待たずに今までの研究結果と照合することができると考える。その後、エキスパートインタビューを行い指標の改定を進め、アプリケーションとして汎用化できるよう進めていく。
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Causes of Carryover |
基準とするスフィアハンドブックの改定に伴い和訳をした上で指標改定のプロセスを進める必要が生じたため。 西日本豪雨災害、胆振地震のため研究協力者が災害対応に追われ、インタビューの延期を強いられたため。 来年度が最終年度になるため延長を申請し計画的に研究遂行にあたる。
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Research Products
(4 results)