2018 Fiscal Year Research-status Report
訪問看護師が家族介護者に用いる遺族ケアアセスメントシートの開発
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17K12531
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
工藤 朋子 岩手県立大学, 看護学部, 教授 (50305265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岩 奈津美 岩手県立大学, 看護学部, 助教 (10806201)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 家族介護者支援 / 訪問看護 / 訪問看護情報提供書 / 遺族ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
死別後支援が必要な家族介護者を訪問看護師が予測する要因を明らかにする中で、医療保険による訪問看護利用者家族への継続支援体制について課題が見出された。そこで、市区町村における訪問看護情報提供書の活用実態を明らかにするために、2018年7~9月、全国の市区町村保健センターの訪問看護情報提供書担当者900人を対象に、郵送による質問紙調査を実施した。 有効回答229件(有効回答率25.4%)、情報提供書は215(93.9%)の市区町村が受け取っていた(2017年度)。情報提供を受けて提供した最も多いサービスは訪問指導が64(43.0%)、健康相談が23(15.4%)の順であった。情報提供書は「とても必要である」が12(5.2%)、「必要である」が88(38.4%)、「あまり必要ない」が82(35.8%)、「ほとんど必要ない」が33(14.4%)、「無回答」が14(6.1%)であった。「とても必要・必要である」の理由は、「利用者の状況を訪問看護の視点から把握できる」「切れ目のないサービス提供につながる」「地域の現状を把握できる」が上位に挙げられた。「あまり・ほとんど必要ない」の理由は、「通常の連携で情報共有できる」「既にサービスにつながっている」「タイムリーな情報ではない」が上位に挙げられた。活用する上での課題は「記載内容の検討」が見出され、特に記載してほしい内容は「行政支援の必要性」が挙げられた。 高齢者の利用者については、訪問看護が医療保険で提供されていたとしても、ケアマネジャーの存在があれば、訪問看護情報提供書の受け取りが無くても、電話や直接対面での情報共有により連携が図られている現状が明らかとなった。また、約半数の市区町村は、訪問看護情報提供書は必要ないと認識していた。 調査結果の概要については報告書にまとめ、希望する市区町村に配布した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
市区町村における訪問看護情報提供書の活用実態について、調査結果の概要を報告書にまとめ、希望する市区町村に配布することはできた。しかし、平成30年度に開催を予定していた、訪問看護師を対象とする研修会を開催することができなかった。そのため、医療保険による訪問看護利用者で、継続支援が必要と判断される家族介護者への支援体制の検討が不十分な段階にあるため、やや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
市区町村における訪問看護情報提供書の活用実態については、関連学会で発表し、論文を投稿する。また、岩手県内の訪問看護師を対象とする集合研修の場で、これまでの研究成果を報告し、訪問看護師が継続的な支援を必要とする家族介護者を見極め、介護予防や遺族ケアの視点を含めて、どのように適切な機関・職種に情報を提供していくかを共に検討していく。
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Causes of Carryover |
旅費については、結果説明会を開催することができなかったため、支出が計上額(受講者の旅費)を下回った。次年度に開催する結果説明会の旅費として使用する予定である。
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